
台湾人の平均月収と平均年収を解説
こんにちは、台湾在住のゴダです。
(Twitterはコチラ → @oogoda1)
ここでは、台湾人の平均月収および平均年収について解説します。
台湾のいくつかの機関が発表しているデータをまとめました。
この記事が皆さまの参考になれば幸いです!
※2020年3月のレート【1台湾ドル=3.59円】で計算。
この文章を読んでほしい人
→ 台湾人の給与水準(平均月収、平均年収)が気になる人
→ 台湾就職を検討している人
台湾の平均月収および平均年収【2020年2月調査結果】
2020年2月の中華民国行政院主計総処の調査によると、台湾の被雇用者の2019年の平均月収は53,667元(約19.2万円)、平均年収は644,004元(約230.4万円)ということが分かりました。
ちなみに、これは外国人や非正規雇用者も含んだ数字であり、ボーナスや残業代を含めた最終的な数字となります。
なお、調査の詳細は以下の通りです。
▪️調査対象者
就業形態:被雇用者(経営者は除く)
業界:工業またはサービス業
調査対象の人数:2019年12月末は801.9万人、2019年通年平均は796.7万人
▪️外国人及び一部の非正規雇用者を含まない場合
調査時期 | ボーナス・残業を含むか含まないか | 平均月収(日本円換算) | 平均年収(日本円換算) |
---|---|---|---|
2019年12月末 | 含まない | 44,788元(約16.0円) | 537,456元(約192.2万円) |
含む | 57,612元(約20.6万円) | 691,344元(約247.3万円) | |
2019年通年平均 | 含まない | 44,114元(約15.8万円) | 529,368元(約189.4万円) |
含む | 56,652元(約20.3万円) | 679,824元(約243.2万円) |
▪️外国人及び一部の非正規雇用者を含む場合
調査時期 | ボーナス・残業を含むか含まないか | 平均月収(日本円換算) | 平均年収(日本円換算) |
---|---|---|---|
2019年12月末 | 含まない | 42,495元(約15.2万円) | 509,940元(約182.4万円) |
含む | 54,433元(約19.5万円) | 653,196元(約233.7万円) | |
2019年通年平均 | 含まない | 41,883元(約15.0万円) | 502,596元(約179.8万円) |
含む | 53,667元(約19.2万円) | 644,004元(約230.4万円) |
参考資料:108年全年工業及服務業受僱員工人數為796萬7千人,全年每人每月總薪資平均為53,667元
台湾の地域別の平均月収【2020年最新調査】
台湾の都市別の平均月収
次に、2020年に台湾の給与まとめサイト「比薪水 salary.tw」が発表しているデータです。
サイト訪問者が自分の給料と地域を入力し、その数字に基づいて平均を算出しています。
※平均値は随時変動しています。以下の数字は2020年3月5日時点のものです。
順位 | 県市別 | 金額 |
– | 全国平均 | 40,530元(約145,269円) |
1 | 新竹 | 47,371元(約16.9万円) |
2 | 苗栗 | 40,228元(約14.41万円) |
3 | 台北 | 40,181元(約14.40万円) |
4 | 新北 | 39,535元(約14.1万円) |
5 | 桃園 | 38,345元(約13.7万円) |
6 | 南投 | 35,796元(約12.8万円) |
7 | 台南 | 35,493元(約12.7万円) |
8 | 金門 | 35,382元(約12.6万円) |
9 | 台中 | 34,163元(約12.2万円) |
10 | 雲林 | 33,803元(約12.1万円) |
11 | 高雄 | 33,121元(約11.8万円) |
12 | 基隆 | 32,854元(約11.7万円) |
13 | 彰化 | 32,417元(約11.6万円) |
14 | 宜蘭 | 31,256元(約11.2万円) |
15 | 花蓮 | 30,769元(約11.0万円) |
16 | 台東 | 30,405元(約10.8万円) |
17 | 屏東 | 30,279元(約10.8万円) |
18 | 嘉義 | 29,851元(約10.6万円) |
19 | 澎湖 | 26,237元(約9.4万円) |
参考資料:2020台灣薪水薪資查詢地圖
ちなみに、上記の数字はボーナスや残業が含まれていない数値だと思われます。
また、サイト訪問者の層に偏りがあるため、行政院主計総処が発表するデータと乖離があると思われます。
台湾の都市別平均月収から分かること
①首都台北よりも新竹の方が高い(新竹は1位)
→新竹にはサイエンスパークと呼ばれるエリアがあり、世界的に有名な半導体企業が集中しています。そのため、新竹にはエリートエンジニアが多く住んでおり、平均給与が高くなっていると考えられます。
②意外にも苗栗が高い(苗栗は2位)
→苗栗は台中と新竹に挟まれた田舎エリアです。新竹へ1時間以内で通勤できるため、①で説明したように、エリートエンジニアが住んでいると考えられます。
③桃園が高い(桃園は5位)
→桃園には桃園国際空港があるため、航空業関係者が多く住んでいると考えられます。また、首都台北まで1時間以内で通勤することができるため、給与水準が高いと考えられます。
④金門は離島だが意外に高い(金門は8位)
これも私の推測ですが、金門は中国大陸との国境にあたるため、軍人など公務員が多く住んでいると考えられます。一般的に、台湾の公務員の給与は高いです。
⑤台湾東南部(花蓮、台東、屏東)が低い
台湾東南部は農業従事者が多くを占めます。そのため、給与水準が低いと考えられます。
台湾人の給料に関する問題「台湾22K問題」
皆さんは「22K問題」という言葉を聞いたことがありますか?
これは台湾には月収22,000元前後の若者が多く、若者の賃金水準がとても低いことを表す言葉です。
台湾では若者の給与が上がらないことが大きな社会問題となっています。
高学歴で理系のバックグラウンドがある若者は月5万元以上を稼ぐことも珍しくありません。
しかし、普通の学歴で何のスキルもない文系の若者は月22,000元稼ぐのがやっとの人もいます。
ちなみに、この傾向は地方に行けば行くほど顕著であり台北で22,000元は珍しいと思われます。
「月収七万元以上の相手じゃないと結婚しない(月薪七萬才要嫁)」
数年前、匿名の台湾人女性がネット上に
「月収7万元以上の相手じゃないと結婚しない(月薪七萬才要嫁)」
と書き込んで話題になりました。
(※7万元は約25万円に相当。)
しかし月収7万元以上の人は被雇用者全体の上位数%にすぎません。
つまり、かなりの少数派というわけなんです。
ちなみに日本でいうと年収上位5%は1050万円以上。
学歴でいうと早慶・旧帝大卒となります。
この発言が出た当初、台湾のネットユーザーたちはすぐさま敏感に反応しました。
ネット上には「月収7万元なんて夢見過ぎ」というコメントがたくさんありました。
ちなみに月収5万元(18万5156円)以上の者でさえ全体の20%前後であるため、
台湾の給料水準がとても低いことを指摘するネットユーザーもいました。
台湾で働く外国人の給与
ホワイトカラー職の外国人の給与(月収)
営業や翻訳やクリエイターなどホワイトカラー職の外国人労働者は、最低月収4万7971元(約171,862円)が法律で保証されています。
これは台湾の全労働者の上位約20%に入る給与水準であり、外国人ホワイトカラー労働者は裕福な生活が保証されています。
ただ、日本語教師には最低月収4万7971元の規定はありません。
つまり、各日本語学校が決めた給与となるため、4万7971元以下になることが多いです。
なお、台湾現地採用については以下の記事に詳しくまとめてあります。
台湾就職に興味がある方は一度ご覧ください。


ブルーカラー職の外国人の給与(月収)
台湾にはたくさんの外国人工場労働者がいます。
そのほとんどが東南アジアからの労働者であり、工場の寮に住み込みで働いています。
これら工場労働者にはホワイトカラー外国人労働者とは違うビザが発行され、最低月収4万7971元の規定がありません。
平日は働いているので目にすることはありませんが、土日に台北駅・桃園駅・台中駅などの大きな駅に行くとものすごい数の工場労働者を目にします。
彼らも休日に友達とショッピングや食事を楽しんでいるのです。
台湾に住んでいる駐在員の月収
日本企業から派遣されてきた駐在員はかなりの額の給料をもらっています。
なぜなら、駐在員は通常の給与に加え、海外駐在手当までもらっているからです。
また、それにプラスして台湾の物価は日本より低いので、かなり裕福な生活を送っていると思われます。
なぜ台湾人は日本旅行で爆買いができるのか?
ここからは私の考察です。
しかし、わりと的を射ていると思うので公表します。
上に書いた通り、台湾全体の被雇用者の平均月収は約53,667元(約19.2万円)です。
年収にすると64.4万元(約230.4万円)です。
これだけ見るとすごく少ないように感じますよね?
だけどちょっと待てよ。
台湾人って日本旅行しまくって爆買いまでしてるような気がするぞ・・・?
なんでこんなに使えるお金が多いんだろう?
そこで、私が考えた理由を以下に列挙してみます。
①酒タバコやらない
実は台湾人はほとんど酒を飲まないしタバコも吸いません。
例外的におじさんは酒やタバコが好きです。
でも、それ以外の台湾人はそれほど酒タバコが好きではありません。
これに対し、本当に多くの日本人がお酒を飲むしタバコも吸います。
もちろん量は人により様々でしょうが、毎月3万円くらい酒タバコに使ってる日本人も多いのではないでしょうか?
これを考えると台湾人は酒タバコ代がかからないので、それがそのまま可処分所得となっているのです。

②毎月の固定費が安い
台湾生活における固定費はとても低いです。
まず、家賃。
当然ですが、家賃は日本よりも安いです。
これも人によりまちまちなのですが、台北でも7万円あれば十分綺麗な場所に住めます。
(郊外であれば4万円くらいでも綺麗なマンションに住めます。)
また、多くの賃貸物件には無線Wi-Fiがもともと飛んでいます。
他には、スマホのネットがパケ放題で月2000円など、日本に比べるとかなり安い印象です。
この通り、台湾生活における固定費はかなり低いのです。
③同居してる人が多い
家族(恋人)と同居(同棲)している人が多いのも可処分所得が高い理由の一つでしょう。
当然ですが、誰かと同居すると一人当たりの家賃や食費が下がります。
④共働きが多い
台湾では奥さんがバリバリ働いてる家庭が非常に多いです。
場合によっては旦那さんより稼ぎがいいことも・・・。
台湾は産休がしっかりとれる会社が多いので、女性の社会進出が盛んです。
実家で同居したり、実家の近くに住んで、子どもの面倒は親に任せて、夫婦でがっつり稼ぐのです。
⑤自営業の社長さんが多い
上でまとめた平均月収のデータはあくまでも被雇用者(従業員)のデータです。
実は、台湾は自営業者や社長が多く、サラリーマンの何倍も給料をもらっている人がたくさんいます。
だからもしかしたら、日本で爆買いしている台湾人は自分のビジネスを持っている人かもしれません。
⑥日本では日本製品が安く買えるから
ここまでは台湾人の可処分所得が高いという論調で説明してきました。
しかし、読者さんのご指摘で、もう一つ重要な視点を忘れていたことに気づきました。
それは「日本では日本製品がとても安く買える」ということです。
台湾人にとって日本製品は”高品質でちょっと高額なもの”という位置付けです。
元々の値段が高いことにプラスで関税や輸送費も加わっているので、台湾国内で売られている日本製品の価格はとても高いのです。
しかし日本旅行の際に日本製品を買うと、関税も輸送費も加わっていないので、台湾国内よりも相当安く買うことができます。
普段憧れている”高品質でちょっと高額なもの”がセール状態で売られているように感じるのです。
⑦海外旅行時には財布のヒモが緩むから
また、人は海外旅行時には財布のヒモが緩んでしまうものです。
何ヶ月も一生懸命働いて貯金して、海外旅行の時くらいはパァっと散財したい。
このような感覚になるのは不思議ではありませんよね。
結論:台湾人は海外で爆買いできる!
以上を踏まえると、台湾人が日本で爆買いできるのも不思議なことではありません。
このように表面上の数字からだけでは見えてこない部分がたくさんあるのです。
最後に
収入が増えても支出が多ければ手元に残る金は少ない。
だけど、収入が少なくても支出が少なければ手元に残る金は多いです。
このように、台湾人が爆買いできる理由はものすごくシンプルなのです。
10年間台湾に住んで、台湾はお金がかからない社会構造になっていることが分かりました。
逆に、日本は固定費だの税金だので、ものすごくお金がかかる構造になっています。
二カ国に長期間住んだからこそ感じるこの違い。
これからもいろんな違いを肌で感じ、ブログにつづっていきたいです。
年収診断:市場価値判断ならMIIDAS(ミーダス)(自分の適正年収を数分でチェック)



コメント
[…] 参考サイト:台湾人の平均月収と平均年収を解説。なぜ爆買いできるほど金持ち? […]
日本から出てアジア太平洋暦は10年目、台湾4年在住、嫁が台湾人の者です。
台湾人が日本で爆買するのはご高察の通り様々な理由がありますが、一番の理由は日本は良質の商品が低価格で買えるからです。日本商品を台湾で購入する場合、関税だなんだで2倍から3倍します。自分ように買う以外にも家族・友達から頼まれたとか、転売目的なので購入量は数人分から数十人分まで膨れ上がります。あとは台湾の平均値から比べると実際に日本まで行っている人は飛びぬけて年収が高い可能性も考えられますね。親のすねかじりもおおいですが若い人でもIT系等は月収20-30万台湾元(おおざっぱに100万円)稼ぐ人も私のまわりには数人います。年収平均値は日本のほうが高いけど上位数パーセントで比べると台湾のほうが金持ち度が飛びぬけている気がします。