どうも〜、2011年から台湾に住んでいるゴダ(@oogoda1)です。
きっとあなたは以下の疑問をもって当記事にたどり着いたと思います。
台湾では何語が使われているのか?
台湾旅行前に覚えるべき言語は?
結論、台湾の公用語は中国語なので、台湾旅行では中国語を覚えていきましょう。
台湾の中国語は中国大陸と異なるアクセントがありますが、十分意思疎通が可能です。
この文章を読んでほしい人
→ 台湾人が何語をしゃべっているのか知りたい人
→ 中国語と台湾語の違いを知りたい人
台湾では何語が話されているのか?
台湾の公用語は中国語。話者が一番多い。
台湾の公用語は中国語です。(中国と一緒の言語であり、標準中国語)
「公用語」と書くと分かりにくいですが、簡単にいうと台湾のメイン言語という意味です。
話者が一番多いのはもちろんのこと、テレビや学校でもメインで使用されています。
街中で目にする漢字も基本的にはすべて中国語で書かれてるんですよ。
中国語は話者が一番多くて、テレビや学校、看板なんかも基本的にはすべて中国語。
中国語以外には何語がある?→台湾語、客家語、各原住民の言語
中国語に比べると話者は少ないですが、台湾には「台湾語」「客家語」「各原住民の言語」もあります。
台湾語は中国国民党が中国語を持ち込む以前から台湾で話されていた言語。
主に老人が話し、台湾南部(台南や高雄)では若者も日常的に使用してますよ。
また、客家語は漢民族のうちの一支流である客家人によって話される言語です。
現在客家人の人口は台湾全体の12%ほどと言われており、聞く機会が少ない言語です。
そして台湾には16の原住民が存在しており、それぞれが独自の言語をもっています。
これも聞く機会は少ないですが、原住民の村に遊びに行ったら聞くことができるかもしれません。
台湾語は老人や南部の人がよく話し、客家語と原住民の言語は旅行中に聞くことはほぼない。
しかし、駅構内のアナウンスには必ず台湾語と客家語がある。
台湾人は基本的に2種類以上の言語が話せる
ほとんどの台湾人が二つ以上の言語を話すことができます。
まず、上で書いた通り、台湾の公用語は中国語です。
全ての台湾人が中国語で学校教育を受けますし、普段も中国語で家族や友達と会話します。
しかし台湾のご老人は基本的に中国語がうまくありません。
中国語は戦後に国民党によって台湾にもたらされた言語であり、元々台湾人は台湾語で話していました。
ご老人は中国語が上手でなく、特に80歳以上の方はほとんど話せません。
よって、台湾人はメインで中国語を使い、ご老人とは台湾語で話すので、バイリンガルというわけです。
そしてこれに加えて、客家人であれば客家語をしゃべったり、原住民であれば原住民の言語をしゃべったりします。
つまり、人によっては三つの言語をしゃべることができるのです。
しかし若い世代は台湾語が話せなかったり、老人世代は中国語が話せなかったりするので、中国語か台湾語のどちらかしか話せないという人もいる。
原住民の中には三つの言語がしゃべれる人もいる。すごい!
中国語の現地での呼称:中文、普通話、マンダリンなど
国によって中国語の呼称が異なります。
中国:「中文」「漢語」「普通話」
日本:「中国語」「北京語」
英語圏:「Chinese」「Mandarin(マンダリン)」
これらは全て中国語を指していますが、一つ一つの単語に込められた意味は違うんですよ。
たとえば「Mandarin」の日本語訳は「官話」であり、中国の政官界で使われてきた言語であるという意味が込められています。
ちなみにシンガポールやマレーシアなどの華人は中国と同じように「中文」「漢語」「普通話」などと呼ぶことが多いみたいですね。
もっとも一般的なのは「中文」(zhōng wén/ㄓㄨㄥ ㄨㄣˊ)。
中国でも台湾でも東南アジアでも共通の呼称です。
中国語と台湾語ってどう違うの?
わたしは言語学を研究しているわけではないのでアカデミックな方面から詳しくは書けません。
しかしWikipediaに書いてある程度の知識を分かりやすく記事にすることはできます。
よってここでは台湾に詳しくない初心者に向けて基礎的なことをまとめました。
どうぞ参考にしてください。
発音からみる違い
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「初めまして」は中国語では「chū cì jiàn miàn」といいます。
台湾語では「tshoo-kìnn-bīn」です。
つまり中国語と台湾語で全然発音が違うんですよ。
そしてこれは「初めまして」だけではなく、ほとんどの単語で発音が異なります。
台湾語は伝統的に中国語という大きなグループ内の方言として分類されています。
でも実態は、台湾語と標準中国語で全然発音が違って、お互い意思疎通がとれないほどなんです。
(中国語しかできない人は台湾語がまったく理解できません。)
だから、中国人に台湾語で話しかけても通じません。
歴史からみる違い
中国語はもともとは中国北方(北京あたり)の方言です。
どこの国でもそうですが、首都の言語がその国の標準語となります。
だから中国は北京の方言を標準中国語としました。
これが中国語が北京語とも呼ばれる所以ですね。
また、中国国民党が台湾に臨時政府を移した際、台湾住民に対して標準中国語の教育を行いました。
だから台湾においても北方の言語である中国語が公用語として普及しているわけなんですね。
これに対して台湾語は、国民党が台湾に来るずっと前から台湾で話されていた言語です。
台湾土着の言語であるといっても過言ではないでしょう。
また台湾語は福建省東部の閩南語(福建語)の影響を強く受けていると言われています。
というか台湾語と閩南語は互いに意思疎通ができ、同じ言語と言ってもいいでしょう。
台湾は1895年から1945年のあいだ日本に統治された過去があり、その影響か台湾語にはたくさんの日本語が残っています。
具体的には以下のような単語です。
<台湾語に残る日本語単語>
ごぼう、りんご、さしみ、わさび、気持ち、馬鹿野郎、あたま、たたみ、ブラジャー、背広、ネクタイ、タイル、仕上げ、バック、オートバイ、ドライバー、おじさん、おばさん、運ちゃん
etc…
テキトーに書き出してみても、これだけの単語が思いつきました。
日本語が多く残っているのが台湾語の最大の特徴の一つであり、閩南語との違いです。
なお、中国と台湾の歴史については以下の記事に分かりやすくまとめてあります。
興味がある方はぜひ読んでみてください。
台湾語は戦前から台湾で使われていた言語であり、閩南語の派生言語と言われている。
また、日本語の影響も色濃く受けており、台湾語の中にはたくさんの日本語単語が残っている。
台湾で使用される文字「繁体字」について
繁体字とは?
台湾で使用される文字は「繁体字(正体字)」と呼ばれる漢字です。
これは中国の漢字のように簡略化される以前の感じであり、画数の多い伝統的な漢字となります。
また繁体字は香港やマカオでも使用されています。
なお、日本の旧字体とはまた少し違うようで、日本は日本で独特の修正を入れていたみたいです。
台湾の街中で目にする漢字は基本的にすべてこの繁体字であり、中国や日本の漢字とは異なります。
繁体字はどのくらい画数が多い?
「繁体字は画数が多い」
「繁体字は伝統である」
とだけ書いてもイメージが湧きにくいでしょうから、実際にいくつか紹介いたします。
まず一つ目は龜。
これは亀の繁体字ですね。
どうでしょう?ものすごく複雑じゃないですか?
つづいて次の漢字は廣。
これは広の繁体字です。
最後にご紹介するのは體。
これは体の繁体字。
ちょっと信じられないですが、私たちが普段使用している漢字は元々はこんなにも複雑で難しかったんですね〜
台湾や香港に行ったら日本にない漢字がたくさんあって読めないですが、もしかしたら私たちが普段使っている漢字の原型かもしれないのです。
「台湾って何語?」のおさらい・まとめ
最後におさらいしましょう。
台湾で話される言語は以下の通りです。
台湾語
客家語
各原住民の言葉
中国語は台湾の公用語です。
戦争世代のお年寄り以外は、ほぼ全員しゃべれると思ってください。
台湾語はお年寄りを中心にしゃべられる台湾土着の言語です。
しかし台湾南部に行くと若者でも台湾語をよくしゃべります。
(過去には中国語より台湾語の方が得意という南部人に会ったこともあります!)
客家語は客家人だけがしゃべる民族の言語だと思っていただいて結構です。
わたしは客家語は詳しくないですが、駅のアナウンスを聞いたところ全然中国語に似てないと感じますね。(1%も聞き取ることができませんでした)
台湾の原住民は全部で16民族あり、それぞれが独自の言語をもっています。
また、中には日本語の影響を強く受けている民族もおり、会話の70%がほぼ日本語と同じという民族もいます。(寒溪など)
この通り台湾はかなり多文化・多民族の国であり、一枚岩ではありません。
とりあえず中国語ができれば一部のご老人とは会話ができます。
台湾に来る際はまずは中国語を覚えることをオススメします。
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