どうも〜、台湾在住のゴダ(@oogoda1)です。
先日、以下のツイートがちょっと話題になりました。
台中で登山を楽しんでたオジサンが撮った映像。下り道で160センチほどの大きなコブラと遭遇。おそらくかなりの猛毒です。みなさんも台中で登山するときは蛇に気をつけてくださいね🐍🐍 pic.twitter.com/LIqhM4fU9O
— ゴダ@台中 (@oogoda1) 2019年6月3日
台中で登山を楽しんでたオジサンが撮った映像。下り道で160センチほどの大きなコブラと遭遇。おそらくかなりの猛毒です。みなさんも台中で登山するときは蛇に気をつけてくださいね🐍🐍
みんな「え、台湾ってコブラいるの!?」という驚きの反応が多かったですね。
はい、台湾には普通にコブラいますし、コブラよりもっと強烈な毒を持った蛇もいます。
というわけで今回は台湾の蛇についてまとめました。
台北や高雄のような大都会でも、ちょっと自然のある場所には出現する可能性があります。
「台湾が大好きで、郊外や田舎エリアも旅したい!」という人にはぜひ参考にしていただきたいです。
※わたしは蛇の専門家ではないですが、信頼できる資料を参考にしました。
台湾の毒蛇は全部で16種類!
台湾には全部で16種類の毒蛇がいます。
これら16種類は出現率や毒性が異なり、あるサイトでは以下のように分類しています。
①台湾6大毒蛇
②噛まれると死の恐れがある6種の毒蛇
③比較的毒が弱い4種の毒蛇
①→②→③の順に危険性が弱まっていきます。
とはいえ、①の蛇だろうが③の蛇だろうが、早めに治療するにこしたことはありません。
①台湾6大毒蛇(コブラを含む、台湾を代表する危険な毒蛇たち)
百步蛇(ヒャッポダ)
■外見的特徴
平均全長80-100cm。最大155cm。体型は太く、三角形のパターンが規則的に並んだ模様をしている。体色は濃褐色であり、落ち葉などの保護色となり見つけにくいので注意。
■毒
出血毒。毒の量多め。致死率は約24%といわれており、噛まれたら非常に危険。ただし、性格は温厚であり、攻撃してくることはまずない。
■生態
山地の森林に住み、特に水辺を好む。林道でぐるぐる巻きになっていたり、ゆっくりと這って移動している。数が少なく、あまり目にすることはない。
■中国語の発音
百步蛇/bǎi bù shé/ㄅㄞˇ ㄅㄨˋ ㄕㄜˊ
龜殼花(タイワンハブ)
■外見的特徴
平均全長80-130cm。ハブに比べると細くて小型。やや白っぽい灰褐色に黒い模様が規則正しく並んでいる。頭は細長い三角形。
■毒
毒は強烈であり、性格も攻撃的。ただし、毒の量が少ないので、致死率は約8%といわれている。
■生態
平地から山地の森林、草原、水辺、農地に住む。木登りが得意で、ネズミを食べるために家に上がってくることもある。夜行性。
■中国語の発音
龜殼花/guī ké huā/ㄍㄨㄟ ㄎㄜˊ ㄏㄨㄚ
参考:台灣6大蛇(中国語)
眼鏡蛇(タイワンコブラ)
■外見的特徴
平均全長2m。背面は黒、エラの部分は白く、1対の眼鏡状斑紋がある。威嚇時には体の3分の1を起こし、頭部のエラを貼って体を大きく見せる。「フー」という音を出して威嚇することもある。
■毒
神経毒と細胞毒。非常に強い毒をもっており、致死率は約15%といわれている。細胞毒も含むため、噛まれた場所を中心に壊死する可能性も。ただし、毒牙は短く襲いかかる距離も短いため、よっぽど近寄ったり踏んづけたりしない限り危険性は低い。
■生態
山地や森林、平原、水辺などに生息している。人が捕獲したり住処を破壊したことにより、個体数は減っている。しかし今でも台湾郊外で出没したという話を定期的に聞く。(数年前には苗栗で40匹のコブラが出てきたことも)
■中国語の発音
眼鏡蛇/yǎn jìng shé/ㄧㄢˇ ㄐㄧㄥˋ ㄕㄜˊ
雨傘節(アマガサヘビ)
■外見的特徴
平均全長1-1.5m、最大1.85m。体色は黒く白い横帯が入っている。
■毒
毒は台湾最強で、たった2〜3mgの量で成人を死に至らしめる。噛まれても特に痛みがないため、治療が遅れて大惨事になってしまうことが多い。気づいた頃には窒息死している。致死率は約23%。ただし、性格は非常におとなしく臆病なので、こちらから近づかない限り噛まれることはない。民家付近にも住んでいるため、生活の中で噛まれることもある。
■生態
平地や低山地の草原、農耕地等の水辺に生息。民家の近くにも生息。
■中国語の発音
雨傘節/yǔ sǎn jié/ㄩˇ ㄙㄢˇ ㄐㄧㄝˊ
赤尾青竹絲(タイワンアオハブ)
■外見的特徴
中小型の毒蛇であり、最大で体長90cmほど。体型は痩せ長で、頭部は三角で、頚部は細い。目が赤く、背面は緑で、腹には一本の白い縦線が入っている。オスは白い縦線の下に一本の赤線が入っており、腹部は淡い黄緑色をしていて、尾は赤煉瓦色をしている。
■毒
出血毒。毒性は弱めであり、致死率は約1%となっている。しかし、緑色をしており、個体数が非常に多いため、草むらで噛まれる人が多い。実際、台湾での被害件数は赤尾青竹絲によるものが最多となっている。
■生態
生息範囲は非常に広く、低海抜の場所から2000メートルほどの高地まで、幅広い環境で見られる。また、日中でも夜間でも活動しているが、夜間の方がより活発である。
■中国語の発音
赤尾青竹絲/chì wěi qīng zhú sī/ㄔˋ ㄨㄟˇ ㄑㄧㄥ ㄓㄨˊ ㄙ
鎖鏈蛇(クサリヘビ)
■外見的特徴
最も大きい個体で166cmに達したことがある。頭部は平らで三角形をしている。また、その名の通り体にクサリのような模様が入っている。危険を感じた時は頭部を体の中央に埋め込み丸くなる。「スースー」という音を発する。
■毒
神経毒と出血毒を兼ね備えている。攻撃性は強く、致死率は約6%。ただし、個体数が非常に少なく、目することはあまりない。
■生態
特定の地形にのみ生息しているわけではないが、草木が多く開けた土地に出没することが多い。平原、沿岸の低地、山などによく見られる。ネズミを食べるため、民家の近くに出没することもある。
■中国語の発音
鎖鏈蛇/suǒ liàn shé/ㄙㄨㄛˇ ㄌㄧㄢˋ ㄕㄜˊ
②噛まれると死の恐れがある6種の台湾毒蛇
阿里山龜裂花(アリサンハブ)
瑪家山龜殼花とも呼ばれる。
■外見的特徴
体長は54cm-80cmであり、短くて太く、頭部は三角形をしている。また、目の下から頸部まで黒い線が伸びている。背面は暗い褐色または赤褐色をしている。
■毒
死の危険性があるので注意。
■生態
主に台湾の山間部に生息している。夜行性であり、ネズミなどの小動物を食べる。
■中国語の発音
阿里山龜殼花/ā lǐ shān guī ké huā/ㄚ ㄌㄧˇ ㄕㄢ ㄍㄨㄟ ㄎㄜˊ ㄏㄨㄚ
菊池氏龜殼花
■外見的特徴
体長は最大で60cmほどであり、阿里山龜殼花と似ているが、より小さい。菊池氏龜殼花の目の後ろには浅い灰色の縦線が入っており、下には黒い縦線が入っている。背面は褐色、灰褐色、赤褐色をしている。
■毒
死の危険性があるので注意。
■生態
海抜2000m以上の高地に生息している。針葉樹、草原、渓流などのそばでよく見られる。
■中国語の発音
菊池氏龜殼花/jú chí shì guī ké huā/ㄐㄩˊ ㄔˊ ㄕˋ ㄍㄨㄟ ㄎㄜˊ ㄏㄨㄚ
参考:外部資料(中国語)
赤煉蛇
■外見的特徴
中型の毒蛇であり、体長は最大で120cmほど。頭頸部には黒い横線が入っており、その後ろには橙色をした太い横線が入っている。体には黒と黄色の斑点がある。
■毒
死の危険性があるので注意。
■生態
主に山間部の湿った環境を好む。以前は海抜1500〜2500mの高地に生息していると思われていたが、近年になって海抜2800mの場所で発見されたこともある。日中に活動する。
■中国語の発音
赤煉蛇/chí liàn shé/ㄔˊ ㄌㄧㄢˋ ㄕㄜˊ
梭德氏帶紋赤蛇
■外見的特徴
頭部は三角形をしており、白い横線が入っている。背部は赤褐色をしており、三本の黒線が頸部から尻尾の方まで伸びている。腹は白で、黒い斑点が見られる。
■毒
死の危険性があるので注意。
■生態
低海抜の山間部に生息している。昼夜問わず活動をし、性格は温和。
■中国語の発音
梭德氏帶紋赤蛇/suō dé shì dài wén chì shé/ㄙㄨㄛ ㄉㄜˊ ㄕˋ ㄉㄞˋ ㄨㄣˊ ㄔˋ ㄕㄜˊ
羽鳥氏帶紋赤蛇
■外見的特徴
赤褐色と黒のストライプが入っている。派手な見た目。
■毒
死の危険性があるので注意。攻撃性はあまりない。
■生態
海抜500〜1500mに生息。台湾中部及び東部に出没した記録も多いが、主に南台湾に出没する。夜間に活動的になるが、日中でも暗い場所で見ることがある。
■中国語の発音
羽鳥氏帶紋赤蛇/yǔ niǎo shì dài wén chì shé/ㄩˇ ㄋㄧㄠˇ ㄕˋ ㄉㄞˋ ㄨㄣˊ ㄔˋ ㄕㄜˊ
参考:外部サイト(中国語)
環紋赤蛇
■外見的特徴
中小型の蛇であり、体長は最大で約98cmになる。細身であり、赤黒い体には黒の環状模様が入っている。また、頭部には白い環帯が見られる。
■毒
死の危険性があるので注意。ただし、攻撃的ではない。
■生態
海抜1000m以下の樹林や草原に生息している。夜行性であり、動きは遅い。
■中国語の発音
環紋赤蛇/huán wén chì shé/ㄏㄨㄢˊ ㄨㄣˊ ㄔˋ ㄕㄜˊ
参考:外部サイト(中国語)
③比較的毒が弱い4種の台湾毒蛇
大頭蛇
■外見的特徴
体長は最大で160cmになることもある。体は褐色または黒であり、深い色の斑点がいくつもある。
■毒
毒は弱く、噛まれても死ぬことはない。(過去に死亡例がない)
■生態
全台湾の海抜1000m以下の地域に生息。非常によく見られる種類である。日夜問わず行動する。
■中国語の発音
大頭蛇/dà tóu shé/ㄉㄚˋ ㄊㄡˊ ㄕㄜˊ
参考:外部サイト(中国語)
茶斑蛇
■外見的特徴
小型蛇であり、体長は最大でも90cm程度。褐色、赤褐色、黒紫色など色は様々。個体によっては体に黒や白の斑点がある。
■毒
毒は弱いが、攻撃的な性格。
■生態
山間部、川辺、草地、開墾地、側溝などに生息。日夜問わず活動する。
■中国語の発音
茶斑蛇/chá bān shé/ㄔㄚˊ ㄅㄢ ㄕㄜˊ
鉛色水蛇
■外見的特徴
小型蛇であり、体長は最大でも100cmを超えない。体型は太くて短く、背面は茶色をしている。側面と腹部に黒い斑点があり、腹部の斑点は交差して並んでいる。
■毒
毒は弱い。噛まれても死ぬことはない。
■生態
山間部のため池、渓流、水田などに生息。
■中国語の発音
鉛色水蛇/qiān sè shuǐ shé/ㄑㄧㄢ ㄙㄜˋ ㄕㄨㄟˇ ㄕㄜˊ
唐水蛇
■外見的特徴
小型蛇であり、体長は最大で80cm程度。
■毒
毒は弱い。噛まれても死ぬことはない。
■生態
かつては台湾全土および金門の海抜500m以下に生息していたが、現在は台北、桃園、金門でのみ生息が確認されている。夜行性であり、池、側溝、水田などに生息。
■中国語の発音
唐水蛇/táng shuǐ shé/ㄊㄤˊ ㄕㄨㄟˇ ㄕㄜˊ
参考:外部サイト(中国語)
最後に:コブラだろうがなんだろうが、テリトリーに入らなければ噛まれない!
ここまで恐ろしい毒蛇を紹介してきましたが、最後に一点お伝えしたいことがあります。
それは「蛇だって人間を恐れている」ということです。
コブラのような強い毒蛇だって、別に人間を殺すために生きているわけではありません。
彼らだって、できれば大人しく平和に過ごしたいと思っているはず。
でも、身の危険を感じればやはり攻撃をせざるをえないでしょう。
基本的には彼らのテリトリーを侵さなければ噛まれることはないはずです。
郊外や田舎を旅行する際は草むらに入っていかない方がいいでしょうね。
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