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シンガポールの華僑(華人)ってどんな人たち?歴史、割合、文化など

シンガポールの華僑(華人)ってどんな人たち?歴史、割合、文化など

シンガポールの華僑(華人)ってどんな人たち?歴史、割合、文化など

どうも〜、ゴダ(@oogoda1)です!

ここではシンガポールの華人(華僑)について解説しています。

歴史や文化など様々な角度から調べてみました。

ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

目次

はじめに:「華人」と「華僑」の違いは?この2つのワード、一体何が違うの?

最初に、言葉の定義をはっきりさせておきます。

華人・・・中国国籍をもたない中華系住民

華僑・・・中国国籍をもつ海外居住者

以上から、シンガポールの中華系住民は「華人」と呼ぶのが正解です。

彼らのルーツは中国にあるけど、現在国籍はシンガポールですからね。

※当ブログでは便宜上「シンガポールの華人(華僑)」と両方記載してます。でも本当は「シンガポールの華人」と記載するのが正解です。

 

シンガポールの華人(華僑)あれこれ!彼らはいつ、なんの目的で移住した?

シンガポールの華人(華僑)あれこれ!
いつ来た? 主に19世紀。
移住の目的は? イギリスの植民地支配に伴う労働力確保のため。
どこから来た? 福建、潮州、広東、客家、海南島など、主に中国南部。
言語は? 標準中国語、福建語、広東語、客家語など。
人数は? 約279.4万人。
総人口の何%? 約74.1%(2010年調べ)

シンガポール人の4分の3が中華系です。

街を歩いていても中国語をよく見かけますし、中華系の言語をよく耳にします。

残りの4分の1はインド系やマレー系です。

だから、「シンガポール=華人の国」と定義するのは間違いでしょう。

しかし、一般的にシンガポールは「大中華圏(広義の中華圏)」に分類され、中華圏として認識されることが多いです。

次に、シンガポールの華人の歴史をご紹介します。

<シンガポールの華人(華僑)の歴史>

①もともとマレーシアとシンガポールは同じ国だった。

②14〜15世紀(明の時代)、マレーシアのマラッカを中心に中国系の貿易商が住んでいた。

③19世紀、マレーシアは英国支配のもと錫鉱山やゴム園の開発が進んだ。

④同時に、中国各地から大量の移民が押し寄せ、錫鉱山やゴム園での肉体労働に従事した。

⑤マレーシア内で2大勢力となったマレー人と華僑がお互いの権利を求めて対立。1965年、華人が多く住むシンガポールがマレーシアから独立した。

歴史に詳しい方からすると物足りないでしょうが、ざっくり説明すると以上のような感じです。

最後はマレーシアから追放される形で独立したシンガポールは、李光耀首相の指導のもと先進国へと成長しました。

現在は、世界トップクラスの1人あたりGDPや国際競争力を誇っており、日本より豊かな国となっています。

さらに詳しいシンガポールの歴史を知りたい方はWikipediaの該当ページをごらんください。

 

シンガポールの華人(華僑)の出身地と言語

シンガポールの華人(華僑)の出身地と言語

シンガポールの華人(華僑)の出身地と言語

シンガポールの華人の出身地はバラバラです。

主に、福建、潮州、広東、客家、海南島などから移住してきた人が多いようですね。

シンガポールの華人の出身地と言語(2000年のデータ)
出身地 人数 言語
福建 1,028,490人 福建語
潮州 526,200人 潮州語
広東 385,630人 広東語
客家 198,440人 客家語
海南島 167,590人 海南語
福州 46,890人
興化 23,540人
上海 21,550人
福清 15,470人

ソース:中国語版Wikipedia

シンガポールの華人たちは今でも先祖の言語を話します。

そのため、シンガポールでは福建語や広東語や客家語を耳にすることが多いです。

ただ、例えば広東系のシンガポール人も、他の中華系言語を話せることが多いです。

なぜなら、学校や職場で他の出身地の人と一緒に生活する中で、他の言語を覚えてしまうからです。

また普段から中国や台湾の文化に触れたり仕事で使ってるうちに標準中国語を習得します。

そのうえシンガポールの共通語は英語であり英語も話すことができます。(なまってます)

つまりシンガポール人は合計で2〜5つの言語を平気で話すことができるのです。

実際、私の友人も英語、標準中国語、広東語、客家語を流暢に話すことができました。

このように先祖の出身地、仕事で必要、義務教育、友達がよく使う等等、様々な要因が重なり合って複数言語が話せるようになるのです。

 

シンガポールの華人(華僑)は約279.4万人!総人口の約74.1%!

シンガポールでは中国語を頻繁に目にする。

シンガポールでは中国語を頻繁に目にする。

シンガポールの華人は約279.4万人。

これはシンガポールの総人口の74.1%にあたります。

(全体の約4分の3が中華系の住民というわけです。)

ただ、逆にいうと4分の1は非中華系(インド系やマレー系)ということです。

4分の1というと決して少ない数字ではないですよね。

だから街中ではインドやマレーっぽい文化を目にすることも多いんですよ。

 

シンガポールではヒンドゥー教寺院やイスラム教のモスクをよく目にする

シンガポールではヒンドゥー教寺院やイスラム教のモスクをよく目にする

このとおり、シンガポールはまさに「ごちゃまぜの国」。

主に中国、インド、マレー(イスラム)の文化が混ざり合い、複雑な多文化社会を形成しています。

 

ヒンドゥー教寺院にて

ヒンドゥー教寺院にて

しかもたまに「中国語を話すインド系住民」とか「中国語を話すマレー系住民」もいるからびっくりします。

彼らは中華系の友達と接したり、テレビで中国語の番組をみたり、商売のために勉強する過程で中国語を習得するんですよね。

お互いの文化が影響し合ったいい例ですよね。

 

シンガポールの華人(華僑)はお金持ち?

「シンガポール=お金持ちの国」というイメージを持ってる方はたくさんいるでしょう。

実際そのとおりでして、シンガポールは本当にお金持ちが多いです。

2017年の一人当たり名目GDPは以下の通りでした。

9位:シンガポール(57,713.34USドル)

25位:日本(38,448.57USドル)

2017年は円安だったので日本円が少なく算出されてます。

しかし仮に円高であってもシンガポールの方が裕福でしょう。

実際シンガポールの街を歩いていると高級車が停まっているのをたくさん見かけます。

為替変動があり国の規模が違うので、単純に日本とシンガポールを比較するのは難しいです。

でも現在の数字だけで言うとシンガポール人は日本人の約1.5倍お金持ちと言えます。

 

私のシンガポール華人(華僑)の友達

私のシンガポール華人(華僑)の友達

私のシンガポール華人(華僑)の友達

これまで様々な場面でシンガポールの華人と知り合ってきました。

台湾留学時代はクラスに一人いましたし、仕事でも何度かシンガポール人と一緒になっています。

というわけで私のシンガポール華人に対する印象を書いていきます。

(あくまで私の個人的な感想です)

 

私のシンガポール華人に対する印象①:教育のレベルがとにかく高い。

シンガポールは都市国家です。

地方がなく首都だけが国になったような感じです。

多くの人が高所得者であり、教育水準が高く、外国人に慣れています。

私の友人もみな教育レベルが高く、欧米留学を経験しており、複数語をしゃべる国際的な人ばかりでした。

 

私のシンガポール華人に対する印象②:欧米的な自由主義・平等主義の人が多い。

シンガポールは元英国領であり、英国の影響をずっと受けてきました。

また、これまで移民を受け入れ、年齢差や性差を克服した歴史があります。

その関係か、シンガポールには欧米的な自由主義・平等主義の発想の人がたくさんいます。

わたしもシンガポール人の知り合いに会うたびに

「日本は移民を受け入れないから貧乏になっているんだ」

「日本は性差があるから貧乏になっているんだ」

などと欧米のリベラリストみたいなことを言ってきます。笑

日本は高齢者が多いということもあり、保守的な考え方の人が多いですからね。

シンガポール人と考えてることが全然違うんです。

シンガポール人と話すたびに「外国人ってこんなにも違うんだな〜」と思わされます。

 

私のシンガポール華人に対する印象③:東南アジアにありつつもアイデンティティは東アジアにある。

シンガポールは東南アジアの国ですが、国民のマインドは常に東アジアにあります。

人種が中華系ということもあり、普段から中国、台湾、日本、韓国のニュースや流行に敏感です。

中国語で情報を得ているというのも関係しているでしょう。

とはいえ彼らは自分のことを「中国人」とは思っていません。

だから間違っても「シンガポール人って結局中国人みたいなもんでしょ?」という発言はしてはいけません。

彼らはあくまでもシンガポール人であり、たまたまルーツが中国にあるだけなんです。

 

私のシンガポール華人に対する印象④:基本的には日本に好印象。しかし過去の悲しい歴史は覚えている。

シンガポールの華人は基本的に日本に好印象を抱いています。

日本製品を日常的に使い、日本料理を食べ、日本旅行にも行きます。

なかには日本のポップカルチャーが大好きでオタクになる人もいます。

サッカーでは必ず日本を応援するという人もいるほどです。

しかし一方で、シンガポール人は日本が戦時中にしたことを忘れていません。

第二次世界大戦中、日本軍はシンガポールを占領し様々な弾圧を行いました。

(反日的な華人を殺害するなどしたシンガポール華僑粛清事件が有名)

シンガポールではこのような悲しい歴史を学校でしっかり教えているんです。

とはいえ、シンガポール初代首相・李光耀が「許そう、しかし忘れない」と言ったように、日本を恨むような教育はしていません。

私たちもこうしたシンガポールの未来志向な態度に感謝しつつ日本がしたことを認識し、今後も良好な関係を続けることができたら良いですね。

シンガポール人から「日本人は戦時中にシンガポールでしたことを何も知らない」と思われたらせっかくの良好な関係も台無しになっちゃいますからね。

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