
台湾のうつ病まとめ。鬱病患者数は?台湾に住むと鬱が治る?
どうも〜、ゴダ(@oogoda1)です。
台湾っていうと南国で、明るい人たちが暮らしてる国というイメージがあります。
でも実際はその真逆のこともたくさん起きてるんです。
烏來また雪降ってるよ…
最近2年に一回くらい雪降ってるな台湾笑https://t.co/jzv3p7fWQ3— ゴダ (@oogoda1) 2018年2月5日
先日、大寒波の影響で台北近郊(烏來)で雪が降りました。
どこの日本海側だよっ!ってツッコミたくなる写真ですよね。
それから・・・
台湾人が明るく陽気というのは間違ってないんですが、

都市別のうつ患者率 2015年
都市部を中心に台湾にもうつ患者はいます。
ネット上に台湾の鬱に関するデータが少なかったので、
中国語の資料を調べて台湾のうつについてまとめました。
台湾の鬱患者数および人口に占める鬱患者の割合
以下は2016年に中華民国衛生署國民健康局が発表した「憂鬱症調查(うつ病調査)」の結果です。
(2017年のものは見つかりませんでした。)
台湾総人口:約2355万
鬱患者の数:約200万
総人口に占める鬱患者の割合:8.49%
女性の生涯発生率:10〜25%
男性の生涯発生率:5〜12%
台湾女性の5人に1人以上が生涯で一度はうつ病を発症するとあります。
世界的に女性の方が鬱になりやすいですが、それにしても台湾のこの数字は驚異的ですよね。
街中で見るぶんにはみんな楽しそうですが、やっぱり他人の内面は分からないものですね。
当然ですが、台湾人だって何かを抱えながら生活しているんです。
また、台湾社会では2.5時間に1人が自殺をしていますが、自殺者のうち87%が生前うつ病に苦しんでいたという調査結果もあります。
世界人口の4%(3億2200万人)が鬱にかかっていると言われているので、世界平均から見ると台湾の8.49%というのは高い数字です。
台湾人は南国気質で明るいというのは本当なのですが、一方で苦しんでいる人々も多いんです。
台湾人のうつの原因
この調査の中で、中華民國肯愛社會服務協會の祕書・長蘇禾さんが以下の発言をしています。
現代人はゆっくりすることができない。速度を落とすことは即ち失敗を意味する。
だから多くの人はリラックスすることができず、精神を崩壊してしまう。
多くの人は知らず知らずのうちにストレスを抱え、問題が起きてからやっと気づくことになる。
「え、これどっかの国と同じやないかい・・・。」
と思った読者のみなさまも多いはず(笑)
そう、仕事効率を追求する現代人は、どこの国かに関わらず、誰もがストレスを抱えながら生活しています。
例えば、韓国の自殺率は世界一で有名ですし、上海・シンガポール・香港に住む私の友人も仕事のストレスがすごいと言っています。
会社や人によってストレスの差はあるでしょうが、どうやらアジア人はストレスを抱えやすい人種のようです。
参考資料↓↓↓
【ジュネーブ=共同】世界保健機関(WHO)は、世界でうつ病に苦しむ人が2015年に推計3億2200万人に上ったと発表した。全人口の約4%に当たり、05年から約18%増加した。世界的に一般的な精神疾患になりつつあり、若年層の自殺増にもつながっているとして、早急な対策が必要だと指摘した。
地域別ではインド、中国を抱えるアジア・太平洋地域で全体の約48%を占め、日本は約506万人。厚生労働省によると、うつ病など気分障害で医療機関を受診している人は約112万人(14年)だが、WHOの統計は専門家による推計値のため、医師にうつ病と診断された人以外も含んでいる。
やっぱアジア半端ない。
人口が多いっていうのもあるだろうけど、それでも世界の鬱人口の約半数がアジアに集中しているなんて・・・。
私も台湾企業で3年働いたので分かりますが、確かに勤務時間は長かったですし、他社との競争や納期に追われるという点では日本と全然変わりませんでした。
(社内のノルマや業績に関するストレスも常にある。台湾だからって楽なことは全くない。)
▼参考記事

「台湾に行ったら鬱が治った!」という日本人について思うこと
よく「鬱で引きこもりだったけど台湾に来たら楽になった」という日本人がいます。
本人の体験談なんで本当なのでしょうが、それは別に台湾が鬱に効くという訳ではないです。
鬱の原因は人間関係であることが多いので、煩わしい日本の人間関係や他者の目から物理的に離れたら、楽に感じるのは当然のことです。
言葉が通じないと相手が何を言ってるか分からないし、深い人間関係も生まれません。
私は2010年から台湾に住んでますが、台湾人だろうと日本人だろうと人間関係はやっぱり大変です。
台湾にもうざい人や変な人はいるし、仕事となるとなおさらです。
バケーション感覚で短期で台湾滞在しているような日本人が「台湾は気楽でいいなぁ」と感じるのは当たり前なんです。
台湾は基本的に暖かいのでなおさらそう感じてしまうでしょうね。
「台湾滞在で鬱が治った」という人は台湾社会に溶け込んでないのです。
逆にいうと、鬱の人が1ヶ月くらい台湾で暮らしてみるのはアリです。
あったかいし、物価は安いし、人間関係がないですからね。
私の意見まとめ:鬱や自殺は安全な社会の代償。ある程度仕方がない部分もある。
「鬱や自殺は仕方がない」
と書くと批判が来そうですが、ここはあえて批判を恐れずに書きます。
確かに鬱や自殺はよくないことなので、改善できるならした方が絶対いいです。
でも、この世界はもともと弱肉強食・適者生存の原理で動いているじゃないですか。
昔は動物を狩猟して、運が悪ければ逆に食い殺されていました。
けれど人間は道具を発明し、科学の力を利用して自然界を支配しました。
つまり、昔は食っていくために死ぬ覚悟も必要だったのですが、現代ではその心配がなくなったということです。
だけどその代わり、納期、業績、人間関係、他社や他国との競争という、原始時代にはなかったものが生まれ、それにより現代人は心を病むようになってしまいました。
私からしたら、
「狩りで動物に食い殺されるよりは、ストレスを抱えながら生きていた方がまだいいかな。これは現代社会の代償とも言えるから、ある程度仕方がないことなんじゃないかな。」
と思ってしまいます。(不謹慎に感じた方がいたらすみません。)
そうは言ってもやっぱり鬱や自殺は減った方がいいですし、
人類の知恵を使ってすべての人が楽しく生きていける世の中になってほしいものです。
実際、アジア人はうつ病にかかりやすいけど南米などはうつ病患者が少ないと言うので、
南米社会をヒントにアジア社会を改善していくことはできるかもしれません。
今回は批判や誤解を招きそうなことを書きましたが「安全さの代償としてある程度仕方がないかな?」という私の本音を書かせていただきました。
私の考えも未熟なので、読者の皆様から意見があったらそれによって私の考えが変わるということも十分にありえます。
当記事は鬱に苦しんでいる人を否定する記事ではないので、その点につきご了承いただけると嬉しいです。
コメント
コメント一覧 (2件)
台湾に行ってうつが治ったというのは、もしかしたら、これまでの生活とは違う非日常の体験&海外での解放感で「そう(躁)」状態になっているのを、“調子がいい”“治った!”と勘違いしていたのかもしれません。いわゆる双極性障害(旧名はそううつ病)です。
本物のうつ病では、旅行に行きたいといったポジティブな思考ができない状態になっているどころか寝たきりになるので、旅行、それも海外となると、その体力と行動力は「そう(躁)」の症状による可能性が高いと思います。
まさに私がそんな感じでした。。。
ラウさま
管理人です。
これは私の意見ですが、海外に行くと言葉が分からないので、基本的に面倒臭い人間関係から解放されがちです。よって、気が楽に感じるというのも、鬱が治ったように感じる理由の一つなのかなと思います。もちろんラウ様がおっしゃるように、躁になってるのを「鬱が治った」と勘違いしている可能性もありますね。
しかし台湾人は日本人ほど細かいことを気にしないので、コミュニケーションが楽に感じる人も多いようです。もし辛くなったら、ぜひ台湾にいらしてくださいね。