こんにちは、ゴダ(@oogoda1)です。
先日香港旅行をした際、中国の深センにも行ってきました。
深センには現地企業で働いている台湾人の友達がいるのですが、
今回は彼の会社に訪問し中国企業の話をいろいろ話を聞くことができました。
というわけで今回はインタビュー形式で彼から聞いた話を綴ってみました。
この文章を読んでほしい人
→海外での現地就業に興味がある人
→中国系企業に興味がある人
今回取材した企業「传音控股有限公司」について
私が今回取材したのは台湾人のハイド君。
中国・深センの「传音控股有限公司」(以下、传音とします)という企業で働いています。
传音は2006年に設立された会社で、アフリカや中東などの新興市場において、現地の需要にフィットした製品を提供しています。
主な製品はモバイル機器やモバイルインターネットなどで、これまでにTECNOやitelやInfinixなどのブランドを生み出してきました。
簡単にいうと新興市場向けのスマホメーカーといったところです。
TECNOって日本だと聞かない名前だけど、ガーナや南アフリカなどでは有名らしいです。
これまでの10年間で、アフリカ主要6カ国において40%のシェアを占めるまでに成長したとか。
実際、今ではサハラ以南のフィーチャーフォン(従来型携帯電話)市場で韓国のサムスンに買ってシェア首位となっています。
韓国のサムスンに勝っちゃったとかすごいですよね。今ノリノリの中国企業というわけですね。
現在では全世界で1万人を超える社員を抱えており、ここ数年はインドとベトナムと中東市場の開拓に力を入れているそうです。
日本企業は国内でチチクリ合ってる場合じゃないよね。
中国企業で働くということ
続いてはハイド君とのインタビュー内容です。
※内容はあくまでも彼の会社の例です。
今の会社ですごいと思ったことは?
ー传音で働いてすごいと思ったことはある?
人をすごく重視するところ。人事部の働きは本当にすごいよ。
ーと、言いますと?
ヘッドハンティングをすごく積極的にするんだ。特に部長クラスや課長クラスの人材の獲得には積極的だよ。あとは有名大学とのコネクションもあって、学生からの認知度が高いのも優秀な人材が獲得できる理由の一つかな。入社したとき近くのテーブルに上海交通大卒の人がいてびっくりしたよ。
ーわ、そんな優秀な学生が入ってくるんだ。そりゃいいスマホも作れるわ。
あとは社内の人事システムも台湾とは比べものにならないほど充実してるんだ。社員の不満を解消する仕組みが充実してるよ。
ー僕が働いてた台湾企業はそもそも人事部がなかったよ(笑)ところでハイド君はどうやって传音を知ったの?
ここに来る前はアフリカのガーナで働いてたんだけど、ガーナの異業種交流会みたいなところで传音の人と知り合ったのがきっかけだね。言語が同じで気軽にコミュニケーションが取れるから、中国人と台湾人は海外ではけっこう仲良くなったりするんだよね。
職場の雰囲気はどう?
ー職場の雰囲気はどう?
職場の雰囲気はすごくいいよ。偉そうな態度の上司がいなくてEQが高そうな人が多いんだ。うちの会社は平均年齢が30歳以下で、35歳以上だと年配扱いになるんだけど、年齢が近いのが仲がいい理由の一つと言えるかも。
ーえ、本当に年齢が理由なの?平均年齢が低くても雰囲気が良くない職場はいっぱいあるんじゃない?
てことはやっぱり一人一人のEQが高いのが一番の理由かもしれない。
ー職場の雰囲気が悪くなることはないの?
やっぱり中国人と台湾問題の話をするときは理解し合えないよ(笑)根本的に考え方が違うからさ、中国人は「台湾は中国だ」って言い張るし、僕も「台湾は中国じゃない」ってことは譲れないから、当然言い合いになるよ(笑)
ーそれで政治の話をした後にお互い気まずくなったりしないの?
気まずくはならないよ。別に面白い話題じゃないし、お互い根本的に考えが違うって分かってるからすぐに話題が変わるよ。政治の話題に関しては割とさっぱりしてるかな。
ー政治の話ってヘヴィーだし根に持ちそうな感じがするんだけど、そんなにさっぱりできるのか。すごいな。
中国人全員がそうとは言えないけど、うちの会社の人に限ってはそんなにネチネチしてないかな。
传音が成長している理由は?
ー传音はなんで急成長できたのかな?なんでアフリカで人気が出たの?
例えばね、アフリカ人て肌が黒いでしょ?これはアジア人には想像できないんだけど、アフリカ人が従来のスマホで顔写真を撮ると、写りが黒くなりすぎて、誰が写ってるのか分からなくなる事がよくあるんだよね。
ー昼に撮った写真でも顔が分からないの?
うん、昼でも黒くなっちゃう事がある。
ーえ、まじか。それは知らなかった。
それでね、传音はアフリカ人の顔も鮮明に撮ることができるカメラが付いたスマホを開発したんだ。するとそれがアフリカで大ヒットしたんだよ。
ーうおー、まじか。それはまさに「顧客のニーズを満たす商品」だね。
すごいよね。それで今はアフリカではシェア一位。そして最近はインド、ベトナム、中東などを新たに開拓しているよ。
なんでそんなにアグレッシブなの?
ー「アフリカに乗り込んで、アフリカ人に合うスマホを作って、アフリカで営業する」ってものすごい攻めてると思うんだけど、なんでそんなにアグレッシブになれるの?
そこにチャンスがあるから。あとは、社内インセンティブ(目標達成ボーナス)も充実していて、みんなやる気に満ち溢れてるからかな。
ー社内インセンティブだったら日本企業にもあるけど?
传音で良い成績残したら、半期でチームごとに350万円くらいもらえたりする。これは一人当たりでも相当な額になるよ。
仕事時間は長いんじゃない?
ー仕事時間はかなり長いんじゃない?
そうだね。繁忙期以外にも23時くらいまで仕事してる人はけっこういるかな。
ーうわー、それは大変そう。
でも传音のすごいところは、これが強制された残業じゃないところなんだよね。個人にやる気があるというか。
ーでもいつか体調崩しそうじゃない?
それは僕もそう思う。だから僕はわりと早く帰ってます。
以前の台湾企業と比べてどう?
ー以前働いてた台湾企業と比べてどう?
社内コミュニケーションが楽かな。今は本当に風通しがいい環境で上司に意見が言いやすい。無駄な心遣いが少ないかな。
ーそれは传音だからだろうね。
そう思う。僕がむかし働いてた台湾企業の上司は偉そうだったんだ。ちょっとしたことでキレたりする人はダメだね。そういう理不尽な上司は今の時代に合わない。
台湾や香港の若者と変わらないという印象
全ての中国企業が传音のようだとは限らないでしょう。
しかし、传音はノリにノってる中国という国自体を象徴しているような企業でした。
また、沿岸部の大都市(北京、天津、上海、深セン、広州)にある若いIT企業はみんなこんな雰囲気なのかな、と思いました。
オフィスを訪問した時にハイド君の同僚とも会話をしましたが、同僚の雰囲気は台湾とか香港の若者と全然変わらなかったです。
大学を出て、就活して、一人で大都会で暮らして、iPhoneを持って、普通に恋愛して旅行して、遅くまで仕事をする日々。
文化の差こそあれど、都市部の人間のライフスタイルはどこの国でも似ているのです。
中国で働くということ・まとめ
現在の中国は高度成長期の日本のようなものです。
一方、日本の高度成長期は数十年前にとっくに終わってしまいました。
勢いにおいて今の日本と中国を比べることはナンセンスでしょう。
ですが、中国人のようにアフリカや中東に乗り込んでいく姿勢は、日本人も学ぶべき姿勢のような気がします。
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