どもゴダ(@oogoda1)です。
わたしは2016年に半年ほどデンマーク留学をしていました。
その際に学校のプログラムで、デンマークの教育現場を見学するというものがありました。
というわけでここでは、デンマークの幼稚園、小学校、中学校、フォルケホイスコーレ、大学について、わたしが見てきたことををレポートいたします。
日本人のデンマークの教育に対する印象
デンマークの教育というと、
テストがない。
先生が生徒と一緒になって考える。
詰め込み教育をしない。
答えのない課題について考える。
というような話を聞いたことがあります。
実際、これらの話は全て本当です。
デンマークの学校の雰囲気は日本と全然違いました。
デンマークの幼稚園
2016年秋にデンマークのヘルシンガーという町にある幼稚園を訪れました。
この幼稚園は森の中にあり環境がものすごくよかったのを覚えています。
幼稚園の敷地内には砂場や遊具がたくさんありました。
幼児たちはここで泥んこになって遊んでました(笑)
なんでも、先生いわく「清潔にしすぎると細菌に弱い体になってしまう」とのこと。
先生は怪我をしないかそうかを見ているだけで、それ以外はほったらかしでした。
午後になったら幼児たちは外でお昼寝をし始めました。
なんと、外にはたくさんゆりかごがあって、幼児たちはその中で寝ているんです。
これは冬でも同じだそうで、マイナス10度までは外で寝かせるとのこと。
気温がそれ以下になってしまったらさすがに室内に移すそうですが(笑)
なんでも、デンマーク人は「多少寒い場所で寝た方が体が強くなる」と考えており、
幼児期からこのようにして体を鍛えるそうです。
デンマークの小学校
デンマークの公立小学校(高学年)も訪問しました。
まず驚きなのが、公立学校なのに一人に一台アイパッドが支給され、アイパッドを使って授業をしていることでした。
そして、宿題は全て電子メールで提出し、授業もアイパッドの機能を使って進めていました。
また、デンマークの小学校では算数、国語、体育などの普通の授業以外にも物理の授業がありました。
日本だと小学校では理科のみで、まだ物理という授業はありません。
だからなぜ理科から物理を分離させたのかちょっと疑問に思いました。
また、日本と違う点で言うと「国際」という名の授業もありました。
国際の授業では、外国人をゲストに招いて英語でのコミュニケーションや異文化を学びます。
私たちIPCの学生は国際の授業にお邪魔させていただいたのですが、
もうデンマークの小学生たちの英語が上手すぎて正直びっくりしましたね。
普通に難しい単語を使って会話ができるし、ディベートだってできちゃう。
日本の中学生がabcから勉強し始めるのを考えると、小学生にしてはかなり進んだ英語学習だなーと思いました。
さらにこの話には続きがあって、デンマークの公立小学校では高学年になるとフランス語とドイツ語から第二外国語を選ぶことができます。
実際わたしが交流した小学生も、すでにドイツ語が少し話せるようでした。
他にも驚いたのが、レゴの授業があること!
レゴの授業では想像力や段取りを学ぶと言っていました。
レゴの授業が私立学校ではなく公立学校にあるって言うのはかなり驚きですよね。
デンマークの中学校と高校
一度デンマークの中学校に訪問し、これもまた「国際」の授業で日本の文化について語る機会がありました。
この時は完全にプレゼンテーターという形で舞台に立って英語でしゃべっていたので、デンマークの中学校についてわたしが学ぶ機会はありませんでした。
全ての学生の英語力が高く、とっくに私の英語より上手でした(笑)
デンマークのフォルケホイスコーレ
フォルケホイスコーレとは?
日本とデンマークでは教育システムが異なるので単純に比較はできないが、日本でいう大学の位置づけにある学校組織である。しかし大学(ユニバーシティ)や単科大学(カレッジ)とは全く違い、単位や学位は取れないが、自由な雰囲気の中で自然を謳歌しつつ学べる全寮制の学校である。
Wikipedia
フォルケホイスコーレは日本にないタイプの学校なのでうまく説明できませんが、
基本的には成人のための教養を学ぶ学校といったところです。
高校を卒業したばかりの人や会社を辞めてきている外国人など、
本当にいろんな人が在籍していました。
なお、フォルケホイスコーレ内では英語で授業をするところもあるため、
英語学習のためにフォルケホイスコーレを選ぶ人も増えています。
フォルケホイスコーレについては過去記事でも触れてますのでぜひ読んでみてください。
▼参考記事
デンマークの大学
コペンハーゲン大学には日本文化研究サークルがあり、そこの活動に何度か参加したことがあります。
と言っても日本語を教えたり日本文化について語ったりといった普通の活動でしたが。
もちろん外部の人間でも所属できるため、デンマーク人の友達が欲しい人にはオススメのサークルです。
上は日本文化研究サークルに参加した時に撮ったキャンパスの写真です。
コペンハーゲン大学の建築はガラス張りだったりしてデザインがものすごくかっこいいんです。
例えるならば、いかにもアップルのパソコンが似合いそうな感じとでも言いましょうか・・・笑
とにかくこんなスタイリッシュな環境で勉強できたら右脳が鍛えられそうだなーと思いました。
コペンハーゲン大学の寮は円柱状になっています。
中国福建省の土楼がモチーフになっているらしく、
デザインに対するこだわりを感じました。かっこいいです。
夜の写真で申し訳ないですが、大学キャンパスのオシャレさが伝わる一枚だと思います。
夜はキャンパスのいたるところがライトアップされ、デートスポットと間違えてしまうほどの綺麗な環境でした。
最後に
デンマークにも公立・私立や、地域格差などによる違いはあります。
ですが、全体として以下のような共通点があると言えます。
①答えのない問題について考える
②デザインや空間や想像力など右脳を鍛える授業が多い
③実用的な英語を早期に身につけさせている
これら三点はいずれも答えのないグローバル社会を生きていくのに必要なスキルです。
そして、デンマークはそういったこれからの社会に対応する人材の育成に力を入れています。
デンマークは小さい国だからこそ(人口580万人)、国内ではなく国外市場も視野に入れてビジネスをする必要があります。
とにかく国際人材を育てると言う点では間違いなく先進国です。
日本も参考にできる点がたくさんあると思います。
コメント