どうも、ゴダ(@oogoda1)です。
ここでは「很、真、好、挺、蠻、非常、超、太」の区別について説明しています。
これらをマスターすれば、形容詞のさまざまな程度が表現できるようになります。
很(hěn/ㄏㄣˇ)
<意味>
「とても〜」
語調を整えたり、これから形容詞を言うことを示すことができる。
<例文>
今天很熱。(今日は暑い。)
那隻狗很不可愛。(あの犬は可愛くない。)
我很喜歡旅行。(わたしは旅行が好きです。)
「很」はとても変な語です。
辞書には「とても」とありますが、実際にはあまり意味のない語です。
では一体「很」にはどのような役割があるのでしょうか?
まず、「很」には語調を整える役割があります。
中国語はリズムを非常に重視する言語であり、形容詞の前に「很」を置くことで、ワンテンポ置いて語調を整えることができるのです。
また、中国語には一語のみの形容詞が多いため、形容詞の前に「很」を置くことで、形容詞の位置を明確にすることができます。
つまり、
“ 今天熱 ” という文では「很」がないと、形容詞は「rè」だけなので聞き取りにくいです。
しかし、
“ 今天很熱 ” のように「很」があると、形容詞の音が「hěn rè」で二語となり聞き取りやすくなります。
このように「很」には、語調を整えたり形容詞の位置を明確にする役割があります。
なお、「很」は心を込めて少し強く言うと、「とても」という意味になります。
つまり言い方で意味が変わってしまうんですね。
この通り、やっぱり「很」は変な単語なんです。
真(zhēn/ㄓㄣ)
<意味>
「本当に〜」「実に〜」
感嘆の意
<例文>
你真厲害!(あなたは本当に/実にすごい!)
她真漂亮啊!(彼女は本当に/実に綺麗だ!)
那家店的牛肉麵真好吃!(あの店の牛肉麺は本当に/実に美味しい!)
「真」を加えることで、感嘆の意味を表すことができます。
好(hǎo/ㄏㄠˇ)
<意味>
「ずいぶんと〜」
感嘆
<例文>
家裡好熱鬧。(家の中がずいぶんと賑やかだ。)
這個東西好貴。(これはずいぶんと価格が高い。)
日本語では「ずいぶんと」のように訳すことができ、程度が甚だしいことを示します。
これも感嘆の意味があります。
挺(tǐng/ㄊㄧㄥˇ)
<意味>
「なかなか〜だ」
<例文>
他的作品挺好的。(彼の作品はなかなか良い。)
你的兒子挺高的。(あなたの息子はなかなか背が高い。)
※通常「挺+形容詞+的」とする
「挺+形容詞」で「なかなか〜だ」と訳します。
また、weblio辞書によると「挺」の程度は「很」より低いとのことです。
「挺」は台湾よりも中国でよく用いられる語です。
台湾で言っても変ではないですが、一般的には中国で多く用いられています。
蠻(mán/ㄇㄢˊ)、滿(mǎn/ㄇㄢˇ)
<意味>
「まあまあ〜だ」
「けっこう〜だ」
<例文>
這首歌蠻好聽。(この歌はまあまあいい歌だ。)
新加坡還蠻小。(シンガポールはけっこう小さい。)
※通常「還蠻(滿)」とする
「蠻(滿)+形容詞」で「まあまあ〜だ」「けっこう〜だ」と訳します。
なお、「蠻」と「滿」はどちらを使ってもOK。
全く同じ意味の語として台湾で広く使われています。
非常(fēi cháng/ㄈㄟ ㄔㄤˊ)
<意味>
「たいへん〜」
「非常に〜」
<例文>
他的發音非常好。(彼の発音は非常に良い。)
英國的街景非常的美。(イギリスの街並みは非常に美しい。)
非常難過。(とても悲しい。)
我非常不喜歡辣椒。(わたしは唐辛子がとっても嫌いだ。)
※二つ目の例文「英國的街景非常的美。」のように「非常的+形容詞」とすることもできる。
この表現はこれまで説明した中で一番程度が強い表現です。
文字通り「非常に」という意味であり、良いことにも悪いことにも使えます。
「非常+不+形容詞」のように否定形も作ることができます。
太(tài、ㄊㄞˋ)
<意味>
「〜すぎる」
<例文>
臭豆腐太臭了。(臭豆腐は臭すぎる。)→マイナス
你家的狗太可愛了。(あなたの家の犬は可愛すぎる。)→文脈的にプラスになり得る
太好了。(よかった。)→例外
※通常「太+形容詞+了」の形で使う
「太〜了」で「〜すぎる」という意味になります。
(この了は語気の了です。意味はありません。)
日本語でも「〜すぎる」はよくない文に使われますが、中国語の「太〜了」もマイナスな意味で使われます。
ただし「太好了」は例外パターンで、単に「よかった」というプラスな意味になります。
超(chāo/ㄔㄠ)
<意味>
「超〜」
<例文>
新幹線超快。(新幹線は超速い。)
上台前超緊張。(舞台に上がる前は超緊張する。)
※「超級(chāo jí/ㄔㄠ ㄐㄧˊ)」という言い方もあり、意味は一緒。
これは若者言葉であり、フォーマルな場では使えません。
普段から使いすぎて、仕事の時などに口から出てしまわないようにしましょう。
(便利な語ですが、心配な方は普段から言わない方がベターです。)
程度の強弱
上で紹介した語を強い順に並べると以下のようになります。
「太>超=非常>好≧很>挺=蠻」
※「真」は感嘆を表す語であり、少し性質が違うので入れませんでした。
この通り今回ご紹介した語には強弱があります。
ですが、あまりこの序列を気にしないようにしてください。
気にしずぎると会話がぎこちなくなるし、形容詞の程度なんて話者の主観なので、のびのびと話してればいいんです。
明らかに使い方が変だったら相手が変な顔をするだけですし。
だから、ぎこちなくなるくらいなら間違い覚悟で使いながら覚えていくのがいいですよ。
ただし「太(すぎる)」にはやや負の意味があるので気をつけてくださいね。
今回はここまで。
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