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【中国語文法】否定文「不」と「沒」の使い分け

こんにちは、ゴダ(@oogoda1)です。

学習者がつまずきやすい文法が分かってきました。

今回の「不と沒の違い」も学習者がつまずきやすいポイントの一つです。

というわけで今後は【かゆいところに手が届くゴダの中国語文法シリーズ】の記事です。

中国語に興味のある人はぜひ読んでみてください。

この文章を読んでほしい人

→中国語を勉強している人(初級向け)

→中国語の否定表現が知りたい人

 

目次

中国語の否定文について

中国語は「不(bù)」や「沒(méi)」を使って否定文を作ることができます。

しかし、「不」と「沒」は意味が異なるので要注意です。

例えば、

 

「彼女は結婚しない。」

「彼女は結婚していない。」

 

は似てるけど意味が全然違います。

前者は彼女は結婚したくないと解釈できますし、なんらかの理由があってあえて結婚しないとも解釈できます。

後者は単純に結婚をしていないという事実を述べているだけであり、結婚願望がある可能性があります。(ないかもしれませんが)

これら二つの文を中国語にすると前者が「不」の否定文で後者が「沒」の否定文になります。

中国語の「不」と「沒」は全然意味が違います。

これだけ聞くとすっごく難しいように聞こえるかもしれません。

しかし何度も繰り返し例文を見たり練習をすることで、ちょっとずつ慣れていきます。

早速例文を見ていきましょう!

 

「不」の使い方あれこれ

まずは「不」の使い方からご説明していきます。

 

意思上の否定

これは上の例文でもやったやつです。

「不」を動詞の前に置くことで、意思上の否定文を作ることができます。

我不結婚。(わたしは結婚しない。)

你不學英文。(あなたは英語を勉強しない。)

他不吃飯。(彼はご飯を食べない。)

どうでしょうか?

全ての文がなんらかの理由で意思的に否定していることが分かります。

「不」には意思的に(選択的に)しないことを表すことができます。

この「不」は、過去、現在、未来の文に使うことができます。

過去、現在、未来の事柄に関して、意思的な否定を表すことができるというわけです。

 

習慣や普遍的事実の否定

次に、「不」は習慣や普遍的事実も否定することができます。

回教徒不吃豬肉。(イスラム教徒は豚肉を食べない。)

你早上不刷牙。(あなたは朝、歯を磨かない。)

他不喝酒。(彼は酒を飲まない。)

「不」は習慣や普遍的事実の否定を表すことができます。

 

未来の否定

未来文の否定形として「不」を使うこともできます。

明天不下雨。(明日は雨が降らない。)

我下個月不參加宴會。(わたしは来月飲み会に行かない。)

我後天不上課。(わたしは明後日授業に出ない。)

ただし、一つ目の例文に関しては明確に未来文の否定形だということが分かりますが、二つ目と三つ目は意思の否定である可能性もあります。

(「飲み会に行きたくないから行かない」「授業に出たくないから出ない」というニュアンスがある可能性がある、ということ。)

これに関しては文脈から推測したり、会話しているのであれば意思的にも否定しているのかどうかをもう一度確認するなどして判断することができます。

 

形容詞の否定

「不」を使って形容詞の否定文を作ることができます。

這個辣椒不辣。(この唐辛子は辛くない。)

這裡的水很不乾淨。(ここの水は清潔ではない。)

你的房間不小。(あなたの部屋は小さくない。)

原則として形容詞の否定は「不+形容詞」で作られます。

しかし、台湾では「沒有+形容詞」という言い方も聞くこともあります。

これは正しい中国語ではありませんが、台湾では一般的です。

台湾語には「沒有+形容詞」という文法があります。

台湾人は台湾語の文法で中国語をしゃべってしまうことがあり、台湾では「沒有+形容詞」という言い方が一般化しているのです。

これは中国語の文法ではないので、参考書や辞書を調べても出てきません。(もちろん中国人も言いません。)

 

助動詞の否定

助動詞というのは、動詞に別の意味を加える語のことをいいます。

有名なところでいうと「會(huì)」がありますね。

「會」は「できる」という意味であり、動詞の前に置いて「〜できる」とすることができます。

具体的には、

我會游泳。(わたしは泳げます。)

というように使うことができます。

 

もしこの文の否定形を作りたいなら「會」の前に「不」を置くことになります。

我不會游泳。(わたしは泳げません。)

この時注意したいのが、助動詞は「沒」を使って否定できないということです。

「會」は必ず「不」で否定するのです。

 

固定表現に使われる

以下の固定表現では「不」と「沒」の使い分けはありません。

常に一つのかたまりとして使われる固定の表現となります。

不好意思。(すみません)

不客氣。(遠慮しないで。)

また、これは成語やことわざにも同じことが言えます。

文不對題(質問と答えがちぐはぐである)

百聞不如一見(百聞は一見にしかず)

単語の中にも見られることがあります。

不鏽鋼(ステンレス)

これらは固定の表現なので「不」の部分を「沒」にかえることはできません。

 

「沒」の使い方あれこれ

次に「沒」の使い方についてです。

※「沒」は「沒有」としてもよい。

 

過去の動作や事実の否定

「不」が過去・現在・未来に使えたのに対し、「沒」は過去の否定に使われます。

他今天沒有上班。(彼は今日仕事に行かなかった。)

我今天早上沒吃早餐。(わたしは今朝、朝食をとらなかった。)

古代埃及人沒有發明飛機。(古代エジプト人は飛行機を発明しなかった。)

この通り「沒」を使った否定文は過去の動作や事実の否定を表します。

 

「まだ〜してない」

これも過去の否定に分類されるかもしれませんが、意味がやや異なるので別枠で紹介させていただきます。

「まだ〜してない」というニュアンスを表すときも「沒」を使うことができます。

このとき「還沒(hái méi)」とすることが多いです。

我還沒打掃房間。(わたしはまだ部屋を掃除していない。)

媽媽還沒準備出門。(母はまだ家を出る準備をしていない。)

還沒到2018年。(まだ2018年になってない。)

 

経験の否定

「動詞+過」で「〜したことがある」という経験の文を作ることができます。

そして「沒」を使うことで経験の否定形を作ることができます。

我沒有喜歡過那個女孩。(わたしはあの女性を好きになったことはない。)

他沒有工作過。(彼は仕事をしたことがない。)

泰國沒有被侵略過。(タイは侵略されたことがない。)

ちなみに「喜歡(好き)」は基本的には過去のことでも「不」を使って否定文を作りますが、上記のように経験の否定をする場合だけは「沒有喜歡過」としなければなりません。

ちょっとイレギュラーですが、「喜歡(好き)」は日常でよく使う言葉なのでこれを機に覚えてくださいね。

 

固定表現に使われる

「不」と同じように「沒」を用いた固定表現もたくさん存在します。

沒關係。(関係ない。/気にしないで。)

沒問題。(問題ない。)

沒辦法。(どうしようもない。)

もちろん「沒」を用いた成語も存在します。

これらは固定表現なので「沒」の部分を「不」に変えることはできません。

 

最後に

今回の内容は初級レベルの文法ですがとても奥が深いです。

理解できても会話で使いこなすのは難しいため繰り返し練習をする必要があります。

会話の練習をする場合はネイティブの人か中国語が上手な日本人を見つけることをお勧めします。

参考記事:かゆいところに手が届くゴダの中国語文法シリーズ

中国語の否定文「不」と「沒」の使い分け

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