どうもゴダ(@oogoda1)です。
最近テレビや雑誌などで「インバウンド需要」という言葉をよく耳にします。
各方面でマーケットが飽和している日本ですがインバウンドは成長分野だと言われています。
インバウンドは今伸びている分野なので「このタイミングを逃すな!」という論調が多かったり実際にインバウンドに特化した企業が増えたりしています。
ただ、私個人としてはインバウンドに関して危ういと思うこともあるので、今回はそれについて書いていきます。
インバウンドとは何か?
インバウンド
外国人旅行者を自国へ誘致すること。日本においては、海外から日本へ来る観光客を指す外来語。行政の対策として「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002」に従い2002年(平成14年)から始まったビジット・ジャパン・キャンペーンで知られる。
引用:wikipedia
訪日外国人旅行者を自国へ誘致することを「インバウンド」と言い、それら旅行者を相手にした商売のことを「インバウンドビジネス」と言います。
つまり、訪日外国人観光客をターゲットとしたホテル、飲食、お土産屋、レジャー施設、旅行ツアー、ポケットWi-Fiルーターなどのビジネスがインバウンドビジネスにあたります。
なぜインバウンド需要が生まれたのか?
なぜインバウンドがここにきて盛り上がっているのでしょうか?
一般的には以下のような理由があると言われています。
- アジア各国の経済が成長し旅行できるほど金持ちになった。
- ここ数年は円安であり安く日本旅行ができるようになった。
- ビザが緩和された国が多い。
- LCC(格安航空会社)の増加。
・・・etc。
訪日外国人旅行者について
訪日観光客数はうなぎのぼりで増えています。
2015年に日本を訪れた外国人の数は約1,973万7千人で、過去最高でした。
2015年に日本を訪れた外国人の国別ランキング(トップ10)は以下の通りです。
国 | 人数 | |
一位 | 中国 | 4,993,689 |
二位 | 韓国 | 4,002,095 |
三位 | 台湾 | 3,677,075 |
四位 | 香港 | 1,524,292 |
五位 | 米国 | 1,033,258 |
六位 | タイ | 796,731 |
七位 | 豪州 | 376,075 |
八位 | シンガポール | 308,783 |
九位 | マレーシア | 305,447 |
十位 | 英国 | 258,488 |
単位(人) |
この表を見て分かる通り韓国を抜けばトップは中国、台湾、香港の中華圏の国で独占されています。
中華圏の客の需要を満たす者はインバウンドを制すといっても過言ではないでしょう。
中華系の人との接し方を学ぼう
中国、香港、台湾・・・。
中華系の国からの訪日観光客は多いのでぜひこれらの国の人々のことを研究したいところです。
もちろんこれらの国は政治的にも歴史的にも本人たちのアイデンティティも何もかもが違います。
だけど文化や習慣や言語面をはじめ似ている部分が多いです。
例えば中華系の人はレストランでは食べきれないほどの量を注文します。
日本人の感覚から言うともったいないですが中華系はとりあえず美味しそうなものを注文しまくります。
これは「食べきれないほど量が多いということは豊かである」という考えから来ています。
中華系の人相手には量が多い方がよく、食べ放題メニューが喜ばれる傾向にあります。
他にも女性への贈り物で靴を選ばない(女性が家から出て行ってしまう)とかそういう中華系独自の考え方があったりするので彼らの考え方や習慣を理解しておくのはインバウンドビジネスにおいて非常に重要です。
この目で見て実感した爆買いの凄さ
私は2016年3月まで五年間台湾にいました。海外勤務です。
外国人旅行客の爆買いについてはニュースで知っていたけど実際に見たことはありませんでした。
ところが2016年1月に大阪に行く用事ができこれはいい機会だということで難波~道頓堀界隈の外国人旅行者を見に行きました。
すると散歩してみてビックリ!
道頓堀付近が中華系やら韓国人やらでごった返していて感覚としては道頓堀にいる人の四割くらいは外国人だったんですよ。
特にドラッグストアなんてほとんど外国人だけでした。
日本の薬はアジアのお客さんに人気のようですね。
ニュースで知った情報が目の前の光景とリンクされた瞬間でした。
インバウンドビジネスは右肩上がりの分野なのか?
こんなに盛り上がってるインバウンド業界ですがこのまま順調に行くんですかね?
政府は訪日観光客数に関する数値目標を立てていますがこれは日本の努力だけでなんとかなる問題ではないです。
日本がどんなアピールしても外国で経済が悪化したり日本との関係が悪化したりしたら来なくなるかもしれません。
この通りインバウンドは日本がコントロールできない部分が大きいのでずっと右肩上がりで伸びていくとは言えないと思われます。
中国という国について
ご存知、中国は共産党による一党独裁の国です。
中国は共産党の決定で国の方針がコロコロ変わります。
若い人は信じられないでしょうが1980年代の日中は友好ムードに包まれており険悪なムードはありませんでした。
それが天安門事件を経験し鄧小平の時代になって反日へと方向転換しました。
他にも中国近現代史を知ると方針がコロコロ変わってきたことが分かります。
そのときの指導者の思惑一つで過去も塗り替えられるし法律もコロコロ変わります。
中国との取引は難しいです。リスキーです。
インバウンドに関していうと共産党の一声で訪日旅行客数を制限することもできます。
「そんなことしないでしょ」と思ってる人はあまいです。
2015年の上海株暴落のときも空売りする投機家を逮捕するという動きにでました。
国の経済に不利な売り買いをする人を取り締まったのです。
これは自由経済の国ではありえないことです。
世界中の人が驚きました。
今のうちに稼ぐのは正しいですが、中国人旅行客がいつまでも増加するという前提で商売をしているといつか痛い目に遭います。
個人的な意見
中国人旅行者は増え続けないでしょう。
それでも中国人の給与が上がり続ける間はまだまだ旅行者は増えるでしょう。
現在中国人やその他のアジア人相手に商売をするのは間違った行動ではないです。
でも本当に大切なことは他国にぶら下がるような発想ではないです。
本気で経済をよくしたいなら少子化対策とかベンチャーやテクノロジーの支援とか社会の基盤から改善していくしかないのではないでしょうか?
短期的にはインバウンドで売りまくる方が簡単なのでインバウンドで盛り上がっちゃう気持ちは分かるんですけど・・・。
まとめ
- 訪日外国人旅行者を自国へ誘致することを「インバウンド」と言いそれら旅行者を相手にした商売のことを「インバウンドビジネス」と言う。
- 訪日外国人の中で最も多いのは中国人。
- 三位は台湾人で四位は香港人。中華系旅行者との接し方を学ぼう。
- 中国は独裁国家。共産党の一声で方針は変わる。訪日観光客数もコントロールできてしまう。
- 中国人旅行者が増えるづける前提で商売していたらいつか痛い目に遭う。
- 他国にぶら下がるのではなく内需や技術力を高めて国力を高めたい。
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