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【中国語文法】把の使い方・構文・例文

【中国語文法】把の使い方・構文・例文

【中国語文法】把の使い方・構文・例文

どうも〜、ゴダ(@oogoda1)です。

中国語学習者がつまづきやすいのが「把」です。

「把」は日常的によく使うので、絶対にマスターしておきたいです。

今回は例文をたくさん紹介しましたので、ぜひ参考にしてみてください。

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かゆいところに手が届くゴダの中国語文法

 

目次

中国語文法「把」とは?

「把」は中国語特有の文法です。

「把」を使うことで目的語にどのような処置を加えたのかを強調することができます。

 

・我吃完飯了(私はご飯を食べ終えた)

→事実の描写

・我把飯吃完了(私はご飯を食べ終えた)

→「ご飯」という目的語に「食べ終える」という処置をほどこしたことを強調

 

「把」の文では、「吃完」の「完」のような補語がつくことがほとんどです。

補語を先にマスターしていないと「把」を理解できないので、できれば先に補語を勉強しましょう。

 

【中国語文法】「把」の使用のルール

「把」にはいくつか使用のルールがあります。

<「把」の使用のルール>

1.基本の語順は「S+把O+V」。

2.目的語は特定のもの。

3.副詞や助動詞は「把」の前に。

4.否定形は「不」や「没/沒有」を「把」の前に。

5.動詞には使用ルールがある。

一つ一つ詳細を見ていきましょう。

 

ルール1:基本の語順は「S+把O+V」。

ご存知、日本語と中国語では語順が異なります。

日本語「私は(S主語) この水を(O目的語) 飲み終えた(V動詞)」

中国語「我(S主語) 喝完了(V動詞) 這杯水(O目的語)」

一般的に中国語は英語と同じSVO構文となります。

 

しかし、「把」を使う場合は、日本語と同じSOVになります。

日本語「私は(S主語) この水を(O目的語) 飲み終えた(V動詞)」

中国語「我(S主語) 把這杯水(O目的語) 喝完了(V動詞)」

これが「把」の基本的な語順です。

 

ルール2.目的語は特定のもの。

目的語は、特定の物でなければなりません。

請把我的杯子拿來。(私のコップを持ってきてください。)

→OK

請把一個杯子拿來。(1つのコップを持ってきてください。)

→NG

この通り、「私のコップ」のように、特定の物が目的語となります。

 

ただし、明らかに何のことを言っているか分かる場合は、不特定の目的語を置くこともできます。

請把窗戶關上。(窓を閉めてください。)

→どの窓のことを言っているか分かるのでOK

このように、窓は部屋にいくつもないですし、状況的にどの窓のことを言ってるか分かることがほとんどでしょう。

よって、この場合は「窗戶(窓)」とだけ言ってもOKです。

 

ルール3.副詞や助動詞は「把」の前に。

副詞や助動詞は「把」の前に置きましょう。

總是把自己的衣服收進來。(彼はいつも自分の服をしまっています。)

把這家的珍珠奶茶喝光了。(私はまたこの店のタピオカミルクティーを飲み干した。)

可以把菜吃完。(あなたは料理を食べ終えることができます。)

 

ルール4.否定形は「不」や「没/沒有」を「把」の前に。

否定形を作る時は、否定語の「不」や「没/沒有」を「把」の前に置きましょう。

把狗帶到學校來。(私は犬を学校に連れてきていない。)

就不把書還給他。(私は絶対に本を彼に返さない。)

不可以把這件事告訴別人。(あなたはこの事を他の人に伝えてはならない。)

「把」の否定形ではほとんど「不」を使いません。使う場合には「不」は「就不」とし、「絶対に/わざと〜しない」という意味になります。

また、三つ目の例文のように助動詞を否定したい時には「不」を使います。

 

ルール5.動詞には使用ルールがある。

「把」の文では、動詞をそのまま使うことはあまりありません。

つまり、「把」の文で使える動詞には、使用ルールがあるのです。

以下で詳細をまとめています。

 

【中国語文法】「把」の文で使われる動詞

1.動詞は補語がよく使われる。

2.動詞は重ね型もよく使われる。

3.動詞に「到~去/到~來」をつけて移動を表すこともできる。

4.動詞に「在」をつけて場所を表すこともできる。

5.動詞に「成」を加えて変化を表す。

6.動詞に「作」や「做」を加えて「〜とする」という意味にする

7.二重目的語の動詞も使われる。

8.動詞をそのまま使うこともある。

9.自動詞は使えない。

10.静止状態動詞は使えない。

11.知覚動詞、感覚動詞は使えない。

12.方向動詞は使えない。

※3、4、5、6は「把」の文にしないと表現できない文です。

 

1.動詞は補語がよく使われる。

《方向補語》

我把桌子搬出去。(私は机を運び出す。)

你把行李放上去。(あなたは荷物を上に置く。)

我把禮物寄回去。(私はプレゼントを送り返す。)

 

《結果補語》

請你把這個吃完。(これを食べ終えてください。)

我把窗戶擦乾淨。(私は窓を綺麗に拭く。)

我把椅子賣掉。(私は椅子を売り払う。)

「把」の文では、動詞は補語がつくことがほとんどです。

つまり、「搬+出去」のように、一般的な動詞「搬」に、方向補語「出去」がつくなどします。

 

2.動詞は重ね型もよく使われる。

《動詞の重ね型》

請把那本書的内容給大家介紹介紹。(あの本の内容をみなさんに紹介してください。)

上課以前,我把書看一看。(授業の前に教科書を読みます。)

動詞の重ね型は「動詞+動詞」という形になります。

動詞と動詞の間に漢数字の「一」が入ることもあります。

 

3.動詞に「到~去/到~來」をつけて移動を表すこともできる。

我把飲料拿到三樓去。(私は飲み物を三階に持っていく。)

我早上把孩子送到學校去。(私は朝、子どもを学校に送っていく。)

一つ目の例文は「拿+到+場所+去」として「場所に持って行く」となっています。

二つ目の例文は「送+到+場所+去」として「場所に送って行く」となっています。

※「把」の文にしないと表現できない文です。

 

4.動詞に「在」をつけて場所を表すこともできる。

他把那本書放在桌子上。(彼はあの本を机の上に置く。)

你把車停在路上。(あなたは車を路上に停める。)

一つ目の例文は「放+在+場所」として「場所に置く」となっています。

二つ目の例文は「停+在+場所」として「場所に停める」となっています。

※「把」の文にしないと表現できない文です。

 

5.動詞に「成」を加えて変化を表す。

<動詞に「成」を加えて変化を表す>

我把中文翻譯成日文。(私は中国語を日本語に翻訳します。)

我把台幣換成日幣。(私は台湾ドルを日本円に変えます。)

※「把」の文にしないと表現できない文です。

 

6.動詞に「作」や「做」を加えて「〜とする」という意味にする

<動詞に「作」や「做」を加えて「〜とする」という意味にする場合>

你可以把這裡當作自己的家。(あなたはここを自分の家のように思ってください。)

台灣人別熊貓叫做貓熊。(台湾人は熊貓/パンダを貓熊/パンダと呼びます。)

※「把」の文にしないと表現できない文です。

 

7.二重目的語の動詞もよく使われる。

請你把那枝筆我。(あのペンを私にください。)

請你把你的名字告訴我。(あなたの名前を私に教えてください。)

通常、「給」は「給+目的語1+目的語2」とし、「目的語1を目的語2にあげる」という意味で使われます。

こうした使い方ができる「給」のような動詞を、「二重目的語の動詞」といいます。

「二重目的語の動詞」は、目的語1に「把」をつけて動詞の前に出すことができます。

 

8.動詞をそのまま使うこともある。

他把房子了。(彼は家を売りました。)

誰把我的茶了?(誰が私のお茶を飲みましたか?)

動詞に補語をつけたりせずに、動詞をそのまま使うこともあります。

 

9.自動詞は使えない。

× 他把我的手機了。(壞は自動詞)

○ 他把我的手機弄壞了。(彼は私のケータイを壊した。)

 

× 小孩把花瓶了。(碎は自動詞)

○ 小孩把花瓶打碎了。(子どもが花瓶を割った。)

日本語と同じように、中国語にも自動詞と他動詞があります。

自動詞とは、もともと目的語が取れない動詞のことです。

自動詞は「」を加えるなどして、他動詞化する必要があります。

これをマスターするには、中国語の様々な自動詞と他動詞を暗記しなければいけません。

 

10.静止状態動詞は使えない。

「有」「是」「在」「姓」などのような具体的な動作を表さない静止状態動詞は、「把」の文には使えません。

× 我把洪姓。

○ 我姓洪。(私の苗字は洪です。)

 

11.知覚動詞、感覚動詞は使えない。

「覺得」「想」「生氣」「愛」「喜歡」のような知覚動詞・感覚動詞は使えません。

× 我把你愛。

○ 我愛妳。(あなたを愛しています。)

 

12.方向動詞は使えない。

「來」「去」「上」「下」などのような方向動詞は、「把」の文には使えません。

なお、上で紹介した「方向補語」は、「動詞+方向補語」という形であり、これとは異なります。

× 我要把廁所上。

○ 我要上廁所。(トイレに行きます。)

 

中国語文法「把」のまとめ

「把」は一朝一夕ではマスターできない文法です。

何度も例文に触れ、自分でも口に出し、間違いを何度も経験して、やっと理解することができます。

かくいう私も、未だに「把」の全てを使いこなせているという感覚はありません。

特に、補語をたくさん覚えたり、自動詞と他動詞の違いを理解するのに時間がかかりました。

「把」を一回で全て理解しようとせず、他の文法を勉強しつつ、「把」が出てくるたびに復習して、長期間かけて理解を深めていきましょう。

 

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