どうも〜、ゴダ(@oogoda1)です。
中国語学習者様から様々な質問をいただきます。
なかでも、今回は重要な初級文法の一つ「比較文」を解説していきます。
比較は日常的によく使う表現です。
比較が言えるだけでいろんな会話が可能になります。
また、中国語の比較は細かいルールが多いです。
しっかり学んでおかないと、伝えたいことが伝わりません。
今回は例文をたくさん紹介しましたので、ぜひ参考にしてくださいね。
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【中国語の比較文】肯定形
まずは、比較の肯定形を見てみましょう。
比較の肯定形では「比(bǐ/ㄅㄧˇ)」を使います。
また、過去・現在・未来のいずれの文でも使うことができます。(形は変わりません。)
基本型
<公式>
A 比 B 形容詞(AはBより形容詞)
基本的な比較級・肯定形の作り方です。
AとBは比較対象とする2つのもの・事象であり、名詞や動詞目的語フレーズを置くことができます。
公式だけでは分かりにくいと思いますので、例文を見てみましょう。
我 比 他 高。(私は彼より背が高い。)
公式に当てはめると、「我」がA、「他」がB、「高」が形容詞となります。
なお、AとBを逆にすると、「彼は私より背が高い」という意味になってしまいます。
意味が変わってしまうので、AとBの位置には注意してください。
爸爸 比 媽媽 老。(お父さんはお母さんより老けている。)
我的手機 比 你的手機 新。(私の携帯はあなたの携帯より新しい。)
這輛車 比 那輛車 貴。(この車はあの車より値段が高い。)
さらに例文を3つ挙げてみました。
しっかりAとBの位置を確認しておきましょう。
数量を用いた具体的な比較
<公式>
A 比 B 形容詞 + 数量(AはBより数量だけ形容詞)
AとBの間に具体的にどのくらいの差があるかを表現することができる型です。
公式だけでは分かりにくいと思いますので、例文を見てみましょう。
姐姐 比 妹妹 大 四歲。(お姉さんは妹さんより4歳年上です。)
公式に当てはめると、「姐姐」がA、「妹妹」がB、「大」が形容詞、「四歳」が数量となります。
形容詞の後ろに数量を置くことで、「お姉さんは妹さんより具体的にどのくらい年上か」を表すことができます。
你的筆 比 我的筆 長 三公分。(あなたのペンは私のペンより3cm長い。)
我的電腦 比 你的電腦 重 三百公克。(私のパソコンはあなたのパソコンより300g重い。)
高鐵 比 火車 快 兩個小時。(新幹線は電車より2時間速い。)
こちらも全て数量付きの比較文になります。
ここまで読んでお気付きの方もいるでしょうが、これは単位を先に学ばないと使いこなせません。
つまり、上の例文で言うところの「公分(cm)」「公克(g)」「個小時(時間)」などの単位を先に学ぶ必要があるということです。
この箇所がうまく理解できない人は、先に単位を学びましょう。
程度強調①:還/更(もっと/更に)
<公式>
A 比 B + 還/更 + 形容詞(AはBよりもっと/更に形容詞)
「還」は「hái/ㄏㄞˊ」と発音します。
「更」は「gèng/ㄍㄥˋ」と発音します。
「還」と「更」は、「もっと/更に〜だ」のように抽象的な差を表現することができます。
なお、この文では数量は使うことができません。
なぜなら、抽象に具体が加わり、何を言ってるか分からなくなるからです。
また、「還/更」を「很」「非常」「太」などに変えることはできません。
これは、日本語でも「AはBよりもとても形容詞だ」と言わないのと同じです。
公式だけでは分かりにくいと思いますので、例文を見てみましょう。
姐姐 比 妹妹 還 高 。(お姉さんは妹さんよりもっと背が高い。)
「還」には「意外にもさらに」という意味があります。
「還」を使うとややエモーショナルな言い方となります。
姐姐 比 妹妹 更 高 。(お姉さんは妹さんより更に背が高い。)
「更」には「さらにもっと」という意味があります。
「妹さんも高いけど、お姉さんは更に高い」というようなニュアンスとなります。
程度強調②:多了/得多/很多(ずっと)
<公式>
A 比 B + 形容詞 + 多了/得多/很多(AはBよりずっと形容詞)
「多了」は「duō le/ㄉㄨㄛ ㄌㄜ˙」と発音します。
「得多」は「de duō/ㄉㄜ˙ ㄉㄨㄛ」と発音します。
「很多」は「hěn duō/ㄏㄣˇ ㄉㄨㄛ」と発音します。
これら3つの語は、AとBを比較して、差が大きいことを表します。
公式だけでは分かりにくいと思いますので、例文を見てみましょう。
他的中文 比 我 好 多了。(彼の中国語は私よりずっと上手だ。)
英文 比 中文 難 得多。(英語は中国語よりずっと難しい。)
馬 比 河馬 可愛 很多。(馬はカバよりずっと可愛い。)
ポイントは、形容詞の後ろに加えると言うことです。
3つとも意味は「ずっと〜」であり、大きな違いはありません。
程度強調③:一點(少しだけ)
<公式>
A 比 B + 形容詞 + 一點(AはBよりもうちょっと形容詞)
「一點」は「yì diǎn/ㄧˋ ㄉㄧㄢˇ」と発音します。
「一點」は、AとBを比較して、差がちょっとだけあることを表します。
公式だけでは分かりにくいと思いますので、例文を見てみましょう。
他的中文 比 我 好 一點。(彼の中国語は私より少しだけ上手だ。)
英文 比 中文 難 一點。(英語は中国語より少しだけ難しい。)
哥哥 比 我 聰明 一點。(お兄さんは私より少しだけ賢い。)
ポイントは、形容詞の後ろに加えると言うことです。
程度強調④:太多了(すぎる)
<公式>
A 比 B + 形容詞 + 太多了(AはBより形容詞すぎる)
「太多了」は「tài duō le/ㄊㄞˋ ㄉㄨㄛ ㄌㄜ˙」と発音します。
「太多了」は、AとBを比較して、差が大きすぎることを表します。
公式だけでは分かりにくいと思いますので、例文を見てみましょう。
他的中文 比 我 好 太多了。(彼の中国語は私より上手すぎる。)
英文 比 中文 難 太多了。(英語は中国語より難しすぎる。)
哥哥 比 我 聰明 太多了。(お兄さんは私より賢すぎる。)
こちらもポイントは形容詞の後ろに加えることです。
また、この用法は市販の教材には載っておらず、やや非公式な言い方になります。
ひょっとしたら台湾限定の言い方かもしれません。(台湾では確かにこのように言うことがあります。)
「得」の利用
<公式>
①A比B + V得 + 形容詞
②A + V得 + 比B + 形容詞
この用法を理解するためには、先に程度補語を理解しておく必要があります。
例文を見てみましょう。
①A比B + V得 + 形容詞
老師 比 學生 來 得 早。(先生は学生よりも早く来る。)
他 每天 比 太太 睡 得 晚。(彼は毎日奥さんよりもおそく寝ます。)
我的英文 比 他 說 得 流利。(私の英語は彼よりも流暢です。)
②A + V得 + 比B + 形容詞
老師 來 得 比 學生 早。(先生は学生よりも早く来る。)
他 每天 睡 得 比 太太 晚。(彼は毎日奥さんよりもおそく寝ます。)
我的英文 說 得 比 他 流利。(私の英語は彼よりも流暢です。)
①と②で意味は変わりません。
どちらの型を使っても大丈夫なので、自分が言いやすい方を使いましょう。
【中国語の比較文】否定形
基本型
<公式>
A + 沒/沒有 + B + 形容詞。(AはBほど形容詞ではない。)
中国語の比較級の否定は「沒/沒有」を使います。
「比」は使いませんのでご注意ください。
例文を見てみましょう。
我 沒有 哥哥 高。(私は兄ほど背が高くない。)
馬 沒有 河馬 大。(馬はカバほど大きくない。)
否定文においては、形容詞の前に「還」や「更」を置くことはありません。
また、程度強調語である「多了」「得多」「很多」なども使えません。
特殊ケース(不比を使った用法)
<公式>
A 不比 B 形容詞(AがBより形容詞なんてことはない)
一見、「不比」は正当な否定形に見えます。
しかし、正当な否定形は「沒/沒有」を用いた文です。
「不比」は「〜なんてことはない」「〜というわけではない」という訂正・反駁の言い方になります。
鈴木先生 不比 高橋先生 高。(鈴木さんは高橋さんより背が高いわけではない。)
相手が「鈴木さんは高橋さんより背が高い」と思っていることに対して、訂正・反駁をします。
【中国語の比較文】疑問形
<公式>
〜嗎?、疑問詞など
通常の疑問文と同じように、〜嗎?や疑問詞を使って疑問文を作ります。
他 比 我 高 嗎?(彼は私より背が高いですか?)
誰 比 我 高?(誰が私より背が高いですか?)
老師 比 我 來 得 早 嗎?(先生は私より来るのが早いですか?)
誰 比 我 來 得 早 嗎?(誰が私より来るのが早いですか?)
「得」を使った文も同じように疑問文を作ることができます。
【中国語の比較文】番外編:一者のみを提示して比較文を作る
ここまではAとBの二者を比較する方法を紹介してきました。
しかし、「比較(bǐ jiào/ㄅㄧˇ ㄐㄧㄠˋ)」を使えば、一者のみで比較文を作ることができます。
他 比較 高。(彼はより背が高い。)
我的手機 比較 新。(私の携帯はより新しい。)
你的姐姐 比較 漂亮。(あなたのお姉さんはより美しい。)
比較対象が明確で、比較対象をあえて言わなくてもいい時にこの形を使います。
私の肌感覚では、「A比B形容詞」よりも容易に使いこなすことができます。
我 比較 喜歡 這個。(私はこれの方が好きです。)
我 比較 擔心 你。(私はあなたの方が心配です。)
また、形容詞だけでなく、「喜歡(好き)」や「擔心(心配する)」のような感覚動詞にも使うことができます。
中国語の比較文(比較級)まとめ
中国語の比較文は公式が多めです。
少しでも位置がずれると意味が大きく異なります。
何度も練習して、しっかり暗記しましょう。
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