こんにちは、2010年から中国語を勉強しているゴダ(@oogoda1)です。
最近リスニング力が伸びないという相談を受けることが多いです。
最近は、昔の自分の勉強方法を振り返ったり、台湾師範大学の中国語教師に相談して、リスニングの勉強法やコツを研究しています。
よって今回はそれらの情報をまとめてリスニングの勉強法に関する記事を書いてみました。
この文章を読んでほしい人
→ 中国語のリスニング力がなかなか伸びない人
→ 英語など他言語のリスニング力がなかなか伸びない人
→ リスニングの勉強法・コツが知りたい人
語学は異種混合戦!
今回のテーマは「中国語のリスニングの勉強法」です。
ですが、語学はリスニングもスピーキングもライティングも全てがお互いに深い関係にあるので、今回はスピーキングの話とかもしちゃいます。
「語学は異種混合戦!」
まずはこのことを覚えておいてください。
中国語のリスニングが伸びない理由とその対策
今回は中国語の聞き取りが全然上達しない学習者Aさんに来ていただきました。
ーちゃんと音声を聞いて勉強してるはずなのに、リスニングが上達しないというワケですね?
そうなんです。中国語のドラマも音楽もたくさん聞いてるはずなのに、いっこうに聞き取れるようにならないんです・・・。
ーただがむしゃらに音声を聞いていてもリスニングは上達しませんよ。伸びない理由を解明して、効率的に勉強しましょう。
伸びない理由が分かればそれに合った対策が立てられそうですね!
理由①:単語を知らない
ーリスニングが上達しない人は、単語力が足りない可能性が高いです。
へええ、そうなんですか?
ーはい、そうなんです。突然ですが、ちょっと以下の文を読んでもらえますか?
丸の部分の単語が分からなくて読めないですねぇ。コレ、何かの呪文ですか?
ー呪文ではないですよ(笑)じゃあ次の文はどうですか?
隠れていた部分が見えるようになったのでさっきよりはマシですが・・・。単語が難しすぎて読めないですね。理解なんてできるワケありません!
ーそうですよね。実は外国語の聞き取りをしている時にはこれと同じことが起こってるんです。つまり、知らない単語がある文は、日本語だろうが中国語だろうが、読みだろうが聞き取りだろうが、理解するのが難しいんです。
あ、そういうことか!
ーですので私は「単語力=外国語力」と言っても過言ではないと思っています。逆に、単語力があれば読みも書きも聞き取りもなんでも上達してきますよ。
中国語のリスニングが伸びない理由①:単語量が足りない
単語量を増やす方法
ここでは私が実践した中でも最も効果的だった単語暗記法をお伝えします。
■ステップ①:五感をフルに活かして覚える
暗記したい単語は五感をフルに使って覚えます。
単語は味わったり匂いを嗅ぐことはできませんが、見たり書いたり口に出すことはできます。
脳に入ってくるルートが多ければ多いほど暗記しやすくなるので、教材を見ているだけでなく、ぜひ書いたり口に出したりしてみましょう。
また、むかし脳医学者が言っていたのですが、人は21回口に出すと暗記ができるようです。
効果は抜群なので、面倒くさいと思わずにぜひ試してみてくださいね。
■ステップ②:暗記したい単語を紙に書き出し、携帯する
今日暗記したい単語を10個くらい紙に書き出しておいて、その紙をポケットに入れておきます。
なぜポケットに入れておくかというと、いつでも取り出して見ることができるようにするためです。
留学中の人はネイティブとの会話中にそれらの単語を使ってみましょう。
会話中に単語を忘れたら、すぐに紙をチェックします。
会話で単語を口にすると、単語とその時の情景がセットで頭にインプットされ、より暗記の効果が高まります。
そうそう、むかし聞いていた音楽を聞くと、その時のことを思い出すのと同じです。
また、日本に住んでいる人はネイティブと会話することはできませんが、電車などのちょっとした移動中に紙をチラチラ確認する癖をつけましょう。
こうすることで反復練習をしているのと同じ効果が得られ、暗記しやすくなります。
もちろん、以下のような無料の中国語辞書アプリを使って勉強することもできます。
最近はアプリを使って勉強している人も多いようですが、個人的にはアプリよりも紙に書いて覚えた方がすぐ暗記できました。
人によっては紙の方が覚えやすいので、このハイテクの時代に紙を持ち歩いてみるのもオススメです。
■ステップ③:漢字・発音・意味は3点セットで覚える
漢字だけ覚えても、発音を知らなければ聞き取れるようになりません。
また、漢字と発音を覚えても、意味を知らなければ理解できません。
漢字と発音と意味を3点セットで暗記するのは大変な作業ですが、これをすることで聞き取りができるようになります。
遠回りのように思えますが、この方法が一番の近道となります。
理由②:文法を知らない
ーリスニングが上達しない人は、文法を知らない可能性が高いです。
どういう意味ですか?
ーそれでは例を使って説明していきます。
ーこの文の意味がわかりますか?
「看到」は“見る”で、「認得」は“見知る”という意味なのは知っていますが、「一」とか「就」の意味が分かんないです。
ー「一…就〜」は「…したらすぐに〜する」という意味の文法です。
へぇえ、知らなかった。
ーだからこの文は「私は彼を見てすぐ(彼だと)分かった。」という意味なんです。
単語を知ってても文法を知らなければ聞き取れないって本当なんですね。
ーそうですね。ですから文法も単語と同じくらい重要なんです!
中国語のリスニングが伸びない理由②:文法を知らない
文法を覚える方法
文法も単語と同じように、何度も書いたり口に出したりして覚えることができます。
ですが、文法は単語とちょっと違って、文法だけを暗記してもあんまり意味がありません。
(「一…就〜」とだけ覚えても、果たして意味があるのでしょうか?)
文法を深く理解するためには、自分の頭の中で作文をして、できた文章を口に出して言う練習が効果的です。
以下は私がいま瞬時に頭の中で作文した「一…就〜」を使った文です。
我一回家就想看電視。(私は家に帰ったらすぐテレビが見たくなります。)
你一下課就很餓。(あなたは授業が終わったらすぐお腹が減ります。)
他一聞麵包店的味道就馬上去買。(彼はパン屋さんの匂いがしたらすぐに買いに行きます。)
私は日常でも「一…就〜」の文法をよく使うので、数秒以内にスラスラ言うことができます。
自分がスラスラ言える文法は、他人が言っても聞き取ることができます。
これも大変な訓練ですが、非常に効果的なんですよ。
でも、一人で練習するのがつまらない、または続かないという人もいるはずです。
そういう人はネイティブの友達や中国語を勉強している人と一緒に「文法使って作文→口に出す」の練習をすると続きますよ(^_^)
・プロに習いたいならコチラ(オンライン中国語)
理由③:正しい発音を知らない
ーリスニングが上達しない人は、正しい発音を知らない可能性が高いです。
えっ!?発音ってそんなに重要なんですか?
ー発音は語学学習の柱ですよ!個人的には、みんな発音の練習に1ヶ月以上かけてもいいと思っています。
えーっ!発音に一ヶ月って長すぎじゃないですか?
ーいえ、そんなことないですよ。正しい発音を知らないと相手が何を言ってるかも分からないんです。ここでも例を使って説明していきますね。
<例1>
上傳 shàng chuán ㄕㄤˋ ㄔㄨㄢˊ
上床 shàng chuáng ㄕㄤˋ ㄔㄨㄤˊ
ーこの二つの単語、読みは似ていますが意味が全然違うんです。
それぞれどういう意味ですか?
ー「上傳」は“アップロードする”という意味で、「上床」は“エッチする”という意味です。
えっ!これ間違えたら相当ヤバいですね。
ーはい。私も昔はよく「この画像をアップロードする」と言いたいところを、「この画像をエッチする」と言い間違えたもんです。笑
ただの変態ですね。
<例2>
我想你。 xiǎng ㄒ一ㄤˇ
我像你。 xiàng ㄒ一ㄤˋ
ーこれは真ん中の漢字が違うパターンですね。
それぞれどういう意味ですか?
ー「我想你。」は“あなたに会いたい”という意味で、「我像你。」は“私はあなたに似ている”という意味です。
え、これも全然違いますね・・・。
ーそうですね。最初のうちは「想」と「像」を間違える人も多いんですよ。
中国語のリスニングが伸びない理由②:正しい発音を知らない
正しい発音を知る方法
このように中国語には、発音がちょっと違うだけで意味が全然変わってしまう単語がたくさんあります。
正しい発音を知らないと、相手が何を言ってるかが全然聞き取れないんですよ。
リスニングを上達させるために正しい発音を知る必要があります。
ではどうしたら中国語の正しい発音を知ることができるのでしょうか?
これにはいくつか方法があります。
■方法①:漢字・発音・意味はセットで暗記する
これは上の「単語量を増やす方法」でも紹介しましたね。
コツは、単語を覚える際に漢字と発音と意味を3点セットで覚えるというものです。
こうすることでリスニングのミスを大幅に減らすことができるようになるんですよ。
「想」と「像」の発音の違いがしっかり頭に入って入れば、遠距離恋愛中の恋人と電話で話している時に「あなたに会いたい」と言うことはあっても、「私はあなたに似ている」と言うことがありえないと分かりますよね。
このように正しい発音を知ることで聞き間違いを減らすことができます。
■方法②:中国語学習アプリを利用する
本当は身近にネイティブの人がいたらいいのですが、日本にいる人にはなかなか難しいですよね。
そこで、スマホでダウンロードできる中国語学習アプリを使うことをオススメします。
アプリだと何回でも再生できますので、繰り返しが鍵となる語学の学習ではアプリは本当に役に立ちますよ。
中国語のドラマや音楽もリスニングの練習になる
ドラマや音楽もリスニングの練習になります。
ですが、その際にもいくつか注意点があります。
注意点①:方言に気をつけよう
中国語(普通話)の方言は非常に多いです。
ですので、自分が勉強したい中国語がどの地域の中国語かに注意しましょう。
わたしの場合は台湾に住む予定だったので、台湾に留学する前は台湾の動画を一生懸命見ていました。
逆に、中国の動画はあまり見ませんでしたね。(時々は見ましたが)
これから中国に駐在する人は中国のドラマを見た方がいいでしょうね。
注意点②:一つの動画をたくさん見よう
動画を一回見ただけで終わってしまう人がいます。
「一回見たからもう見ない」という考えは分かりますが、語学の学習としてはあまり効果的ではないです。
違う動画を1回ずつ見るより、同じ動画を何回も見た方がリスニングが上達します。
わたしは卓球が好きなので、福原愛選手のインタビュー動画をたくさん見ていました。
皆さんの好きな動画はどんなジャンルのものですか。
何回見ても飽きないような動画を見つけて、10回でも20回でも見てみてくださいね。
きっとリスニング力がアップするはずです。
注意点③:老若男女でクセが違う
男性、女性、若者、老人で中国語のクセが違います。
できればいろんな人が出てくる動画を見た方がいいですね。
若い人ばかりの動画だけを見続けると、年配の中国語が聞き取れなくなってしまいます。
また、その逆もそうです
年配の中国語ばかり聞いていると、若者の中国語が聞き取れなくなってしまいますよ。
最後に
冒頭で語学は異種混合戦だと述べました。
下手でも口に出してみる勇気、言い間違えても何度でも立ち上がる打たれ強さ、暗記力、継続力、頭の回転、理解力、吸収力 etc…
語学の学習には本当にいろんな能力が必要となります。
正直、道のりは長くて険しいかもしれません。
ですが、昔スウェーデン人の友達がわたしに言った言葉があって、
それは、
「外国語がしゃべれるようになると、その先には全く違う世界が広がっていて、君はまた一つ自由を手にすることができるんだ」
というものでして、
これは本当にその通りだなと思うんです。
そして、語学学習の道のりは長く険しいけど、その引き換えに自由を手に入れることができるので、わたしは努力する甲斐があると思っています。
ちょっと分かりにくい話になってしまいましたが、ちょっとみなさんにお伝えしたかっただけなので、あまり深く突っ込まないでください(笑)
とはいえ、楽しみながら勉強できるのが最高です。
語学は楽しいもの。
それを忘れずに、細く長く継続していけばいつか必ず上達します。
一緒に楽しみながら続けていきましょう!
コメント
コメント一覧 (2件)
ゴダさん、こんばんは!
この記事、わかりやすくて感動しました(^^)
そして、最後のスウェーデン人のお友達の言葉
「君はまた一つ自由を手にすることができるんだ」
が、心にストンと落ちてきました。
世の中には、自分の力ではどうしようもない事ってたくさんありますが、
語学の習得に関して言えば、自分の頑張り次第で可能性を無限に
広げることができますよね。
この「自由」という響き、モチベーションが少し下がっていた今の私に
一番必要な言葉でした。
ありがとうございます、我的老師~!
ゴダさんが台湾に戻られるまでに、語彙力パワーアップさせておきますので、
またよろしくお願い致します!
楽しみながら続けます(^^)/
ゴダです。
かどやんさん、こんばんは(^ ^)
早速読んでいただき、ありがとうございます!
スウェーデンの友達の言葉、かなり心にきますよね。
僕もこの言葉を言われた時は、「わぁあああいいこと言うじゃん!」って思いました笑
そうですね、自分の努力でなんとかできる部分は、できる限り頑張りたいですよね。
自分の努力でなんとかできない部分は、できることだけやってあとは神に祈る!笑
僕も文章中ではちょっと上から目線で書いていますが、知らない単語もまだまだあるし、勉強中の身分です!
それに、僕もかどやんさんと中国語の授業をしていて、ハッとさせられることは多いです。
「そういえばこの文法、自分でもあんまり分かってないな」って。
だから僕もいつもかどやんさんから教わってるんです。一緒に楽しみながら上達していきたいですね。
いつもありがとうございます(^ ^)