
芹壁村(リトルギリシャ/リトルエーゲ海)
1泊2日で台湾の離島「馬祖」に行ってきました。
結論、飛行機や船を利用する必要があり初心者向けの観光地ではありませんが、台湾本土にはない感動的な文化や景観があり私個人としてはかなりオススメです。
旅行の参考になるよう、アクセス、主要観光地、費用などをまとめました。
ぜひ参考にしてみてください。
※便宜上、当ブログでは馬祖を「台湾の離島」と表現しています。ご了承ください。
台湾の離島「馬祖」の地理情報(場所)
一言で「馬祖」と書いてますが、馬祖は36の島からなる諸島エリアです。
36の島の合計の人口は約14,000人で、最大の島「南竿島」には約7400人が、二番目に大きい島「北竿島」には約2300人が住んでいます。
なかには島民が1人しかいない島「大坵島」もあり、その人は民宿を経営しているようです。応援したい人はぜひ旅行に行ってあげましょう!笑

海の向こうに中国福建省が見える
上の地図でも分かる通り、馬祖列島は中国福建省のすぐそばに浮かんでいます。
南竿島や北竿島からは中国福建省が肉眼で見え、船で25分で着くそうです。
行政区分としては「中華民国福建省連江県」という扱いになっています。
(国共内戦時は海を泳いで奇襲を仕掛ける作戦もあったのだとか・・・とにかく中国に近い!)

馬祖の地方言語「閩東語」
ちなみに地元の人は台湾語(閩南語)ではなく「閩東語」という地方言語を話します。
閩東語は福建省東部で話される言語であり、台湾語(閩南語)とは意思疎通ができません。
私は今回の滞在で初めてこの言語を聞きましたが、発音が可愛くて気に入りました。
台湾本土人いわく客家語に似た発音とのことです。
↑馬祖の小学校では閩東語教育も行っています。
とにかく、馬祖は「台湾の離島」というよりは「福建の離島」と言った方が正しいです。
内戦の関係で中華民国が実行支配し、現在に至っているというわけです。
馬祖の見どころ
地質から馬祖を見る
馬祖には複数の景観地があり、それらをまとめて「馬祖地質公園」と呼びます。馬祖地質公園は台湾政府が正式に発表した最初の地質公園です。
馬祖には1億6千万年前の岩石が存在しており、斑馬岩、海上孔子像、三色石などの特殊な地質景観を形成しています。さらに、馬祖には花崗岩で作られた石造りの家が点在しており、「芹壁村」という集落はまるで地中海の景観のようであり、「リトルギリシャ」と呼ばれています。
戦地としての馬祖を見る
馬祖はかつて国共内戦の最前線でした。
空襲を避けて軍事施設を隠すために大小さまざまなトンネルが掘られました。現在、これら花崗岩のトンネルは観光地となっています。
馬祖旅行の注意点
ベストシーズンは5〜8月
夜光虫が見られるのは4〜6月
馬祖への行き方(アクセス)

台湾の国内線「立榮航空(UNI AIR)」
松山空港、台中空港から馬祖へ直行便
所要時間:50分
運航回数:1日6〜7便
基隆港から船で馬祖へ
所要時間:8〜10時間
中国大陸から船で馬祖へ
福州の馬尾から2時間。1日1便。
現地での交通手段
- バス+徒歩
- タクシー
- 台湾好行(中国語の解説付き)
馬祖内の島から島への移動
今回私は南竿島と北竿島の間を船で往復しました。
南竿島では南竿福澳港を、北竿島では北竿白沙港を利用しました。
馬祖南竿で私が旅行した観光スポット
南竿空港(南竿機場)

南竿空港(南竿機場)
いきなり観光スポットではありませんが、重要な場所ですので紹介させてください(笑)
台北松山空港から南竿空港まで飛びました。
「立榮航空(UNI AIR)」というエバー航空系列の飛行に乗ったのですが、非常に快適でした。

南竿空港(南竿機場)
場所は南竿島の東部です。

南竿空港(南竿機場)
南竿空港は離島の空港らしく、こじんまりとしています。
しかしトイレが全てウォシュレットだったりと、設備面はしっかりしており快適でした。

お土産店
お土産店には馬祖の特産品、お酒、タバコ、衣類が売っていました。
他、ファミリーマートもあります。
(品揃えは台湾本土のファミマと変わりません。)
南竿ビジターセンター(南竿遊客中心)

南竿ビジターセンター(南竿遊客中心)
ここは南竿の観光インフォメーションセンターです。
ここでは馬祖の観光情報を得ることができます。
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南竿ビジターセンター(南竿遊客中心)
場所は南竿島の南部です。

南竿ビジターセンター(南竿遊客中心)
馬祖の地質が学べる資料館があります。

南竿ビジターセンター(南竿遊客中心)
空港と同じようなお土産屋さんがありました。
馬祖の特産品である高粱酒や、高粱酒を使ったチョコ、老酒のそうめん、各種小物などが買えます。
今回高粱酒を飲んだのですが、アルコール度数が50%あるわりに飲みやすく、美味しい清酒のような喉越しでした。
私は普段はあまり強いお酒は飲まないのですが、馬祖の高粱酒はまた飲みたい!お土産に買いたい!と思えるクオリティでした。(実際に買いました。)

馬祖の高粱酒
北海坑道

北海坑道
かつて国共内戦の際に戦闘用の船舶を隠しておくための「地下埠頭」だった場所です。
天然の花崗岩をスコップや鍬を使って人力で掘って作りました。
全長700メートル、高さ18メートル、幅10メートルあります。

北海坑道
場所は南竿島の南部であり、南竿ビジターセンター(南竿遊客中心)のすぐ近くです。

北海坑道
ボートに乗って洞窟内を探検するツアーもあります!
1人350元で、15分ほどのツアーです。

北海坑道
洞窟を掘る際にここで多くの軍人が亡くなったそうです。
実は、これだけの犠牲を払って洞窟を掘ったのですが、掘り終えたくらいのタイミングで停戦となり、この洞窟はほとんど使われなかったそうです。
なんだかいろんな意味で悲しい場所でした。
大漢拠点

大漢拠点
こちらは簡単にいうとトンネル要塞です。
ここも花崗岩を掘って作られています。

大漢拠点
場所は南竿島の南部であり、南竿ビジターセンターや北海坑道のすぐ近くです。

大漢拠点
入口は海の方からは見えにくくなっています。
非常に景色の良い美しい場所です。
トンネル内部には軍の会議室、砲台跡、物置部屋などがありました。
媽祖巨神像

媽祖巨神像
28.8メートルの高さの媽祖様の巨像です。
媽祖はおよそ1,000年前、北宋の時代の中国湄洲出身の女性です。
媽祖は海で遭難した父を探しに海に出て、そのまま自身も遭難してしまいました。
そして最終的にここ馬祖の地で遺体が見つかったと言います。
現在では媽祖は安全航海の守り神として中国沿岸部や台湾で信仰されています。

媽祖巨神像
場所は南竿島の西部です。

媽祖巨神像
媽祖巨神像のふもとはちょっとした丘になっており、小規模な登山道や軍事トンネルがあります。
目の前は全て海であり、非常に景色のいい場所です。
(写真の奥に写っている土地は中国福建省です。)
信仰心が強い人、ちょっとした運動がしたい人などにおすすめのスポットです。
馬祖手作り弁当、斑馬クッキー手作り体験、官帽山登山道

馬祖享宿海景民宿
二日目のお昼は馬祖享宿海景民宿という民宿で馬祖料理のお弁当をいただきました。

馬祖料理のお弁当
なかでも特徴的だったのが左上の紅麹を使用した豚肉炒めと右下の地瓜餃です。
馬祖は高粱酒や老舊などのお酒を生産している関係か、紅麹を使用した料理が非常に多いです。
このように炒め物にしたりご飯と一緒に炊いて食べたりします。
紅麹が入っていると気持ちまろやかな味わいがするし何より健康的でいいですよね!
地瓜餃はスイートポテトを餃子のように包んだ揚げデザートです。
これが地瓜球よりも食感がさっくりしていて美味しかった〜!

官帽山
この民宿のすぐ隣には「官帽山」という60メートルほどの低い山があります。

官帽山の展望台
馬祖料理のお弁当は予約制で、普段は官帽山の上で景色を楽しみながら食べるというプランになっているようです。
私の時は天候が悪くなる可能性があるとのことで、お弁当は民宿で食べました。
結果、天気はものすごく良かったですが。笑

官帽山
官帽山の展望台からはほぼ360度に広がる海の景色が楽しめます。
遠くには馬祖の離島である莒光島や中国大陸を望むことができます。
この莒光島、かつては米国CIAの中国大陸に対する偵察所が配置されていました・・・
島内には米国レストランやバーや映画館まであり、沖縄みたいに繁栄していました。
(しかし、現在はCIAは撤退し、島はただの観光地になっています。笑)

斑馬クッキーの手作り体験
そしてこのお弁当プランには斑馬クッキーの手作り体験も含まれています。

斑馬クッキーの手作り体験
白と黒の生地のまだら模様のクッキーです。
なんでこんな模様にしてるかと言うと・・・

斑馬岩
馬祖の地質である「斑馬岩」を模したクッキーにしているのです!
写真では分かりにくいですが、クッキーの後ろに写っている岩が斑馬岩です!
白と黒のまだら模様がくっきりと現れた不思議な岩です!

馬祖享宿海景民宿
場所は南竿島の南部です。近くに南竿ビジターセンター(南竿遊客中心)があります。
南竿福澳港(船着場)

南竿福澳港
私はこの港から北竿島まで行きました。
料金は大人1人160元で、運行時間は約20分でした。
セブンイレブン、ファミマ、スタバ、お土産屋さんなどがあります。
船に乗る目的以外にも、お土産やスタバの馬祖マグカップを買う目的でも利用できます。
また、北竿に行くだけでなく他の離島や中国大陸に行くこともできます。

南竿福澳港
場所は南竿島の北部です。空港から若干近いです。
馬祖北竿で私が旅行した観光スポット
芹壁村(リトルギリシャ/リトルエーゲ海)

芹壁村(リトルギリシャ/リトルエーゲ海)
「芹壁村」は馬祖の頑丈な花崗石を積み立てて築いた住宅が百棟近くある集落です。
山の斜面に沿って白い伝統住宅が建つ様子はギリシャやエーゲ海の風景を想起させ、「リトルギリシャ」「リトルエーゲ海」などと呼ばれています。
これだけ完璧な状態で閩東式建築の集落が残っているのは中国と合わせてもここだけだそうです。
※閩東式建築・・・福建東部の建築スタイル

芹壁村(リトルギリシャ/リトルエーゲ海)
芹壁村は村民が外へ働きに出かけ、人口が減少し大量の空き家が残されてしまいました。
しかし現在では台湾政府の計画により修繕され、カフェ、デザートショップ、レストラン、民宿などが増えています。
実際、台湾本土からの台湾人観光客でいっぱいで、かなり賑わっていました。

閩東式建築
芹壁食屋という地元料理が食べられるレストランに入りました。
建築の内部にも花崗岩が使われています。
涼しくて頑丈です。

お料理
地元の海鮮(エビ、イカ)を使ったお料理、紅麹を使ったご飯、サツマイモを使った野菜炒めなどをいただきました。
健康な素材を使った美味しい田舎料理でした。
日本人が思い浮かべる中国料理とは違いますが、日本人の口にも合うはずです。

芹壁村
場所は北竿島の中部の海沿いです。
螺蚌山自然歩道

螺蚌山自然歩道
北竿島の右側に出っ張るような形で半島が突き出ています。
この半島全体が歩道になっており、360度パノラマの絶壁の景色を楽しむことができます。
※道が険しく、柵が無く、道が細い場所が多いです。お子様やご老人にはおすすめしません。くれぐれも注意して通行してください。

螺蚌山自然歩道
半島の先の方から北竿島を撮ってみました。

螺蚌山自然歩道
ものすごい爽快な景色です。

螺蚌山自然歩道
歩道の途中は海浸食と風化作用により、様々な形の岩石がむき出しになっていました。
写真の真ん中にある突き出た岩は「海上孔子像」と言い、孔子様のような形をしています。

螺蚌山自然歩道
「馬祖地質公園」というだけあり、地質が豊富で岩を見ているだけでも面白いです。

螺蚌山自然歩道
場所は北竿島の東部の海沿いです。
微醺音楽節

微醺音楽節
今回の旅の大きな目的の一つが、この「微醺音楽節(音楽フェスティバル)」に参加することでした。
毎年この時期になると馬祖ではこの音楽フェスティバルが開催されます。
写真を見ても分かるように、浜辺のすぐ隣の海浜公園に屋台が多く並び夜市が形成されます。
馬祖には夜市がないですが、この日は夜市が出現し、地元の人々が多いに夜市巡りを楽しみます。

微醺音楽節
馬祖のB級グルメはもちろん、たこ焼きのような外国グルメも食べることができます。
当然、お酒を販売するお店もたくさんありました!

微醺音楽節
オープニングセレモニー。
会場は人でいっぱいになり、大盛り上がりでした。

微醺音楽節
音楽フェスティバルというだけあり、様々なバンドや歌手がパフォーマンスを披露していました。

微醺音楽節
「無双樂團」という美女集団です。
中国の伝統楽器を使って現代風の音楽を演奏していました。

馬鼻湾浜海公園
場所は北竿島の中部です。北竿空港の近くにあります。
馬祖旅行を終えての感想
馬祖は、文化的にも歴史的にも地形的にも特殊な場所でした。台湾本土とはだいぶ雰囲気が異なるため、台湾の別の一面を知りたい人は絶対に行くべきです。
わたし個人はリトルギリシャと呼ばれる「芹壁村」が一番印象に残りました。文化面や歴史面から語っても魅力的な場所ですが、美しい風景にただただ圧倒されました。次回訪問する際は閩東式建築の民宿に1泊以上してゆっくりしたいです。
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