
台湾独立のまとめ・徹底解説。台湾独立のメリットとデメリット
どうも〜、ゴダです。
今回は台湾独立問題についてです。
特定の思想や立場にかたよらず、個人的な意見はなるべく排除して書きました。
また、台湾の現状を皆さんに知ってもらうため、できるだけ簡単に解説しました。
台湾に詳しい人からしたら、物足りない内容かもしれません。
というわけで本記事は知識があまりない人向けです。
どうぞ参考にしてくださいね。
・台湾の国際社会での立ち位置が分からない人
はじめに:「台湾と中国は1つの中国かどうか?」台湾内で分かれる意見
日本人からすると、「台湾人は本音では独立したがってるけど、中国の反対があって独立できてない」ように見えます。
確かにそれも間違いではないのですが、実は台湾にはそもそも独立を希望していない人たちもいるんです。
実際、台湾には「台湾と中国は1つの国である」という考えがあります。
この人たちにとっては、台湾は中国の一部なので、諸外国に国として認めてもらう必要はありません。
彼らにとっては、現在の状態はあくまで台湾島と中国大陸との国内問題というわけです。
一方、「台湾と中国は全然違う国である」という考えもあります。
この人たちにとっては、台湾は独立国なので、諸外国に国として認めてもらう必要があります。
彼らは、さっさとアメリカや日本と交渉して国際的地位を築きたいと考えています。
このとおり、現在の台湾は内部の意見がまとまっていない状態なのです。
台湾の現状。台湾は実はすでに独立国の状態にある。

中国・台湾・香港の場所
現状、台湾には独自の通貨・政府・司法・文化があり、完全に独立国の状態にあります。
しかし、台湾は内部の意見がまとまっていない以外に、諸外国からも国として認められていません。(国連にも加盟していません)
よって台湾は「どこの国からも支配されていないけど、内部の意見がまとまっておらず、国際社会からも認められていない」という状態にあります。
国際社会が台湾を国として承認しない理由

台北
上に書いた通り、台湾はどこからの支配も受けていません。
だから「台湾は中国から独立できてない」というのは間違いなんです。
むしろ、台湾は状態としては既に独立しています。
台湾内での意見がまとまっておらず、諸外国も国として承認していないだけなんです。
では、なぜ諸外国は台湾を国として承認しないのか?
その答えは簡単。
それは、中国がそれを許さないから。
中国はとても大きな国なので、多くの国が中国との関係を良好に保ちたいと考えています。
中国の意向に反して「台湾は国である」と認めると、中国の怒りを買ってしまいますよね。
だから諸外国(日本含む)は台湾を一つの国として認めることができないんです。
※日本は1972年の日中国交正常化で台湾と断交しています。つまり「台湾は中国の一部です」と認めたのです。
※パラオなど一部の国は台湾を国として認めています。(そのかわり、中国を国として認めていない)
【2019年1月の台湾人の意識調査】台湾独立支持47.5%、現状維持希望18.5%、統一支持22.7%

2019年1月の調査結果
台湾独立を支持 | 現状維持を希望 | 中国との統一を支持 | |
---|---|---|---|
2018年12月の調査結果 | 35.1% | 29.2% | 23.8% |
2019年1月の調査結果 | 47.5% | 18.5% | 22.7% |
台湾民意基金会がおこなった台湾独立に関する調査結果を、日本語で整理してみました↑↑
台湾独立を支持している人は多数派ですが、中国との統一を支持している人も少なくありません。
このグラフを見ても分かるように、台湾は一枚岩ではなく、本当に様々な思想の人がいることが分かります。
(もちろん、調査対象の台湾人に偏りがある可能性もございます。1つの資料としてご参照ください。)
次に、1991年〜2019年の長期の調査結果です。

1991年〜2019年の長期の調査結果
緑が独立支持で、黄が現状維持希望で、赤が統一支持です。
こちらも同じく台湾民意基金会がおこなった調査結果になります。
参考までにご確認ください。
中国との統一を支持する台湾人はどんな人たち?
日本人からすると、台湾人は本音では独立したがってると思ってしまいます。
でも実際は中国との統一支持派が全体の20%近くもいるんですよね。
わたしも最初グラフを見たときは「おいおい本当かよ」と思いましたよ。
20%といえば、中国寄りと言われる外省人の人数を超える数字です。
外省人とは、第二次世界大戦後に中国大陸から台湾に移民してきた人々をいいます。
この人たちは今でも中国大陸に親戚がいたりして、中国人アイデンティティを強くもってる層です。
外省人は台湾全体の10%程度なので、仮にこの10%が全員統一派だったとしても、統一支持の20%には届きません。
つまり、外省人以外にも統一派がいるということになります。
実際、陸委會が國立政治大學選舉研究中心に委託した調査によると、
中国人は台湾人に友好的でない:41%
中国人は台湾人に友好的:47.8%
となっており、「中国人は台湾人に友好的だ」と感じる台湾人が多いことが分かりました。
このとおり、台湾人の中国人に対する印象は必ずしも悪いものではありません。
少しずつではあるけど、中国人をプラス印象で見る台湾人が増えているのです。
なぜ現状維持を希望する台湾人がいるのか?
グラフを見ると、現状維持を希望する台湾人もいることが分かります。
この人たちは以下の理由で現状維持を希望しているようですね。
・独立すると、中国との対立が激化してしまう。経済制裁はもちろん、武力行使もありえる。だから台湾独立には反対。
・統一すると、民主的で自由な台湾がなくなってしまう。選挙もなければ、人権もない。だから中国との統一には反対。
・現状維持が一番いい。中国とは対立せず、民主的で自由な台湾を維持できる。このままが一番バランスとれてる。
ただ、台湾のコラム【專文】維持現狀 vs 務實台獨は、いつまでもダラダラ現状維持しているわけにもいかないと述べています。
いつか決断の時が来るため、今からしっかり議論して、問題を後回しにするべきではないとしています。
(ただ、コラム内では具体的な解決策や結論は提示できていない。安易に「じゃあ独立で!」と決断できるような問題でもない。)
台湾政府の動き → 現在のトップは独立寄り
私は産経新聞の取材に対し、「一国二制度」は両岸問題を解決する処方箋にはならないと述べました。我々が中国を挑発しませんが、必要があれば世界に向けて明言します。「一国二制度」を拒否し、民主的な生活を守ることは私たちにとって譲れない一線です。中国に誤解をさせてはいけません。 pic.twitter.com/DZYHIw9YGS
— 蔡英文 Tsai Ing-wen (@iingwen) 2019年3月2日
現在の台湾総統(大統領)は、独立寄りの蔡英文さんです。
上のツイートを見ても分かるように、台湾と中国は明確に違う国であると述べています。
でも、過去には中国寄りの人物が総統になったこともあるんですよ。
中国寄りの人物が総統になると、中国との関係が良好になり、景気が良くなります。
ここ最近の台湾は景気が良くないので、中国と仲良くするメリットは大きいんです。
というわけで、
景気が悪い
↓
中国人相手に商売しやすい政治をしてくれる政治家を選ぼう
↓
中国と仲良くしすぎると、中国依存が強くなっちゃう
↓
経済的にも政治的にも、中国に取り込まれちゃう
↓
台湾が中国になるのは嫌だから、独立派の政治家を選ぼう
↓
あれ、なんか中国から経済制裁されてる、中国人客が来ない
↓
なんだか最近景気が悪いなぁ
↓
(最初に戻る)
このような循環で政権交代が行われてます。
(実際はこんな単純な話ではないですが、庶民感覚ではこのように政権が交代しています。)
台湾独立まとめ:単純に「好き嫌い」の話ではない台湾の未来
台湾には台湾を中国の一部とする層が一定数おり、内部の意見がまとまっていません。
また、日本人が中国市場を重視しているのと同様、台湾人も中国市場を重視しています。
中国13億人という巨大なマーケットは魅力的であり、「嫌いだから」という理由で中国を避けることができないのです。
台湾人だっていい家もいい車も欲しいし、子どもの養育費も必要だし、海外旅行だってしたい。
現実的には人間には欲望があり、理論や理想では説明しきれない問題がたくさんあります。
そんな台湾を指して「台湾人は中国寄りの人物に投票して、やっぱり中国側なんだな」と言い切ることはできないんです。
日本人はそのあたりの事情を理解しつつ、台湾と中国の関係をみる必要があるんです。
※台湾人は中国人と言語の壁がない。また、台湾人はビザなしで中国で仕事ができるため、制度面の壁もない。台湾は中国とは離れにくい関係になっている。
→中国と台湾の関係や違いがすぐ理解できます!
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